21世紀フォックスは映画不振で大幅減収

 米地上波テレビFOXネットワークやケーブル局、さらには映画会社などを傘下に置く21世紀フォックスの20157-9月期決算は、特に映画部門の不振が大きく影響し、売上高は前年同期比6%も落ち込む608000万㌦となった。純利益は35%減となる67500万㌦に終わった。前年同期は欧州の有料テレビ(衛星放送)資産の売却資金が純利益に加算されていた。

 フィルムド・エンターテイメント部門は、同期に封切られたアクション映画『ファンタスティック・フォー』(コミックヒーローの映画化)の興行成績が期待外れに終わったことが大きかった。前年同期にヒット作となったSF映画『猿の惑星:新世紀』に遠く及ばず、同部門の売上高は前年同期比27.9%減となる179000万㌦となりグループ全体の足を引っ張る格好となった。ドル高による海外からの収入減も影響した。

 好調だったのが、同社の基幹事業であるケーブル・ネットワーク・プログラミング部門。同部門下の若者向けケーブル局FXネットワークやスポーツ専門局FS1、さらにはニュース専門局FOXニュース・チャンネルの番組視聴率が好調だったこともあり、同部門の米国内広告収入は前年同期比4%増。また、ペイテレビ(CATV、衛星放送、電話会社)と呼ばれる配信サービスから徴収する配信料収入が同11%増を記録したことなどから、同部門の売上高は7.21%増の346000万㌦に達した。

 一方、昨シーズンいきなり大ヒット番組となったヒップホップ・ドラマ『エンパイア』などを擁する地上波テレビFOXネットワークなどを傘下に置くテレビジョン部門の売上高は0.05%増とほぼ横ばいの105000万㌦だった。同期に放送したNFL(米プロフットボール協会)中継試合の本数が前期に比べ少なかったことや、エンパイア以外のプライムタイム番組視聴率が停滞気味だった。

 同社の最高執行責任者(COO)ジョン・ナレン氏は、投資家への説明の中で、「フォックスは短期における利益獲得を目指すのではなく、未来志向に基づいた長期戦略を構築している最中だ」と強調。コンテンツの充実や若者層の間で人気急上昇中のデジタル・プラットフォームへの先行投資に力を入れていく考えを披露した。

 また同社を率いるメディア王マードック氏は投資家へのステートメントの中で、今季封切られたSF映画『火星の人』が大ヒット作になっていることなどを挙げ、映画部門が力強く復調することをアピールした。

<テレビ朝日アメリカ 北清>