スターウォーズ新作が記録ラッシュ

 世界的な大ヒットSF映画『スターウォーズ』の最新作『スターウォーズ フォースの覚醒』が1217日、米国内で一斉に公開された。公開後初の週末北米興行収入は推定24700万㌦に達し、これまでの最高記録『ジュラシック・ワールド』(今年6月封切り)の2880万㌦を破り史上最高記録を樹立した。世界全体における興行収入は52800万㌦を突破する見込み。こちらもジュラシックの52500万㌦を上回り新記録となる見込みだ。

 北米以外でも、イギリス、ドイツ、オーストラリア、ロシアを含む14ヵ国でいずれも公開後初の週末売上が史上最高記録を樹立している。

 大市場を抱える中国での封切りが19日と2週間遅れとなっており、公開後初の週末興行収入がさらに増大することは間違いない情勢だ。

 スターウォーズは、1977年に初公開されて以来6エピソードがジョージ・ルーカス監督率いるルーカス・フィルムが制作公開してきた。しかし、今回からは2012年に同社を約40億㌦で買収したウォルト・ディズニーが制作公開。監督もルーカス氏からJ.J.エイブラムス氏にバトンタッチされた。

 ディズニーは制作費及び宣伝費に35000万㌦の巨額を投入した模様で、いわば全社挙げての大プロジェクトが大成功につながったかたちだ。

 ちなみに、ディズニーがルーカス・フィルムを買収した際には、「高すぎる買い物だ」とウォール街などからはCEO(最高経営責任者)ボブ・アイガー氏の判断に対し一斉に疑問の声が投げかけられた。

 米アナリストの間では同映画の興行成績が最終的には20億㌦に達するほか、DVDや関連キャラクター商品などの売上が50億㌦台に上り、42億㌦の利益をもたらす(クレディ・スイス・アナリスト)との見方もあり、アイガーCEOはほっと胸をなでおろしている。

 しかし、米映画史上例のない大成功を収めることになりそうな同映画の魔力がディズニー株に好影響を与えることはなさそうだ。同週明け月曜日昼頃の同社株価は前週比1%強の下落、投資家の落胆をさそった。同社傘下のスポーツ専門局でグループ全体営業利益の4割強を担うESPNへの先行き不安感がディズニー全体に影を落としているためだ。れまで無敵の感があったESPNは若者層の間で進んでいるテレビ離れ(コードカッティング)拡大傾向の余波を受け、契約世帯数が減少傾向にある。同局が支払っているスポーツ物件放映権が高すぎるとの見方も広がっている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>