Gグローブ賞授賞式視聴率が減少

 ハリウッド外国人映画記者協会(HEPA)が映画及びテレビ番組の優れた作品と出演者などを選ぶ第73回ゴールデン・グローブ賞の発表・授賞式が110日、米カリフォルニア州ビバリーヒルズで開催された。同授賞式の模様は米地上波テレビNBCネットワークが全国向けに午後81106時まで3時間超にわたり独占生中継、アカデミー賞の前哨戦との呼び声が高いこともあり大きな関心が寄せられたが、ニールセン社の速報によれば世帯視聴者数は1850万人と昨年比4%減少の視聴率となった。米プロフットボール(NFL)プレーオフ戦の試合終盤が授賞式の前半にかぶったことが影響した模様。

 さて、映画部門で最高の栄誉とされるドラマ映画部門作品賞に輝いたのが、レオナルド・ディカプリオ氏主演の『レヴェナント 蘇りし者(邦題)』。主演男優賞も合わせ、アレハンドロ・イニャリトゥ氏が監督賞を獲得、計3冠に輝いた。同映画は狩猟仲間に裏切られたハンターの復讐を描いたサバイバル・ドラマ。19世紀の米西部(モンタナ・サウスダコタ州)の極寒地が舞台。なお、同映画は坂本龍一氏が音楽を担当し、作曲賞にノミネートされていたが受賞を逃した。

 

 また、ミュージカル・コメディー映画部門の作品賞には、火星に置き去りにされた宇宙飛行士のサバイバルを描いた『オデッセイ(邦題)』が選ばれた。同作品に出演したマット・デイモン氏も同カテゴリーの主演男優賞に輝いた。

 一方、テレビ番組部門では、地上波テレビネットワークを尻目に、作品賞にNBCユニバーサル傘下のケーブル局USAネットワークが放ったハッカー・スリラー『ミスター・ロボット』が選ばれたほか、同部門のミュージカル・コメディー作品賞にはストリーミング配信サービス大手アマゾン・インスタント・ビデオのオリジナル作品『モーツアルト・イン・ザ・ジャングル』(交響楽団の指揮者交代を描いたコメディー)に栄冠が輝きサプライズとなった。

 既存メディアがメジャーな賞を逃したことで、「米テレビ業界の急速な変貌が象徴的に表れたものだ」などの声も上がっている。

 ちなみに、地上波テレビ番組で賞を獲得したのは、公共放送(PBS)のミニ・シリーズ『ウルフ・ホール』のほか、Foxネットワークのヒップホップ・ドラマ『エンパイア』とCWネットワークのコメディー『クレイジー・エックス・ガールフレンド』が得た女優賞のみに留まった。 

<テレビ朝日アメリカ 北清>