米消費者によるスマートフォンなどを使ったインターネット利用が“ほぼ絶え間なく”行われており、テレビ視聴時間を侵食するまでに至っている。米調査会社「ピュー・リサーチ・センター」によれば、何等かのデジタル・ディバイスを使って、「ほぼ絶え間なくインターネット上をサーフィンしている」と答えた人が全体の21%に上ることが分かった。「一日に一度はネットを利用する」と答えた人は全体の10%、「一日に少なくとも数回はネット利用する」人は全体の42%だったことも判明、米市民の73%が熱心なネット利用者であることが浮き彫りになった。
また、世代の違いによる利用度の違いも明らかになっている。18-29歳層では36%が「ほぼ絶え間なくインターネットを利用している」と答えたほか、50%が「一日に少なくとも数回はネット利用する」と答えた一方で、65歳以上の高齢者層では「ほぼ絶え間なく」利用している人がわずか6%、「少なくとも数回」と答えた人が24%に留まった。さらに十代の若者では「一日に一度は必ずネットを利用する」と答えた人が92%と成人の73%を大きく上回っており、ティーンが熱心なネット利用グループの代表であることが確認された。
インターネット利用の手段だが、米消費者の約三分の二がスマホやタブレット型情報端末、いわゆるデジタル・ディバイスを使っていることも判明。このグループの87%が「毎日必ずネットにアクセスしている」と答えており、デジタル・ディバイスを利用しないグループの65%を上回っている。また同調査では高学歴、高収入、都会の住民ほどネット利用度が高いことも分かった。
一方、こうしたネット利用者の間でテレビ視聴時間が下降現象をたどっていることが明らかになっている。テレビ(受像機)を見る時間より、何等かのデジタル・ディバイスを使ってネット利用に費やす時間が増えているからだが、米ニールセン社の調べでは、そうした利用者が広告主やテレビネットワーク経営者がターゲットにしているミレニアル世代(18-34歳層)で急増中。2015年5月には前年同月比26%の増加を見せ、利用者は毎分850万人を突破したという。
デジタル・ディバイスを使ってテレビ番組を見る人も増えているが、テレビを見ながらスマホなどを利用する“ながら族”が少なくなく、「ネット利用が必ずしもテレビ視聴につながっているわけではない」(AP通信)という。