スーパーボウル、揺るぎない高視聴率

 米国の国民的行事NFL(米プロフットボール・リーグ)の王座決定戦スーパーボウル第50回大会が27日、カリフォルニア州サンフランシスコ郊外のサンタクララで開催された。アメリカン・カンファレンス(AFC)の覇者デンバー・ブロンコスがナショナル・カンファレンス(NFC)の覇者カロライナ・パンサーズを破り99年以来3度目の制覇をとげた。試合の模様は、地上波テレビCBSネットワークが米東部時間午後6時半から全国向けに生中継、世帯視聴率は49%(シェア73%)(速報)と昨年49.7%をわずかに下回る歴代2番目の高視聴率を獲得した。加えて広告主がターゲットにしている重要視聴者層(1849歳)の視聴率が34.1%(シェア73%)と驚異的な数字となった。平均視聴者数は11190人と歴代3位にランクされた。

 米テレビ界を代表するお化け番組とあって、スーパーボウル中継番組中に流されるCMに課される料金は桁違い。今回CBSが提示した30CM料金は昨年比約8%増となる平均480万㌦。枠によっては500万㌦の値がついた模様。なんと1秒あたりの料金は16万㌦にも達した勘定だ。

 

 過去10年間を振り返るとスーパーボウルCM76%も値上がっており、第1回大会から50年間に同中継番組に投入されたCM料金は合計45億㌦(インフレ調整済み:59億㌦)にも上るという。

 広告費がテレビ媒体からインターネットへ大きく軸足を移している中、まったく衰えを見せないスーパーボウルCMについてはデジタル広告では得られない膨大な波及効果が指摘されている。

 13年に思い切ってスーパーボウルCM出稿に踏み切った加ティーシャツ製造会社「ギルダン・アクティブウェア」社は、当時同社の年間広告費の20%に相当する額を投入したが、放送後の売上高が90%も増加したほか、同社のブランド名の認知度が各段にあがり、同社製品を扱うようになった小売店数が50%も増えたという。デジタルメディア・バイヤー、ジョアン・フラッドフォード氏はウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、「インパクトやブランド知名度拡散など、スーパーボウルCMにかなうものは見当たらない」と断言する。

 ちなみに、同イベントのCMをインターネット上で閲覧した数は同日だけで6240万件に達した模様。オンライン調査会社iSpot.TVによれば、ネット上で最も人気の高かったスーパーボウルCMにはペプシコ傘下の清涼飲料水マウンテンデューなどが挙がっている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>