米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーの2015年9-12月期決算は、昨年同期に公開したSF映画『スターウォーズ:フォースの覚醒』が世界的な大ヒット作となり大きく貢献、純利益は前年同期比32%増となる28億8000万㌦に達した。四半期ベースとしては過去最高益を記録した。売上高は14%増となる152億4000万㌦で、増収増益となった。
だが、華々しい業績にもかかわらず、市場の関心は同期も同社の屋台骨的事業であるスポーツ専門局ESPNに寄せられた。同チャンネルの具体的な視聴可能世帯数は明らかではないが、ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、16年1月のESPN世帯数は9140万軒と前年同月の9450万軒から落ち込みを見せている。
同社最高経営責任者(CEO)ボブ・アイガー氏は、「ESPNが終焉を迎えているとの見方はばかばかしい。この国においてスポーツが断然人気を集めていることを忘れてはならない」などと、防戦に努めたものの、同社の株価は決算報告後一時3%の落ち込みを見せた。同社の株価はESPNが要因となり昨年8月来24%も下落している。
ところで、傘下の中で売上高の上昇率が前年同期比46%と、一番高かったのがフィルム・スタジオ部門だった。スターウォーズ新作の興行成績が2月上旬時点で20億㌦の大台を超える活況を呈したほか、映画にならび同部門の重要ビジネスであるDVD販売が過去のスターウォーズ・エピソード人気に支えられたかたちだ。同部門の売上高は27億㌦に達した。
また、スターウォーズ人気はキャラクター商品などを扱う消費者向け商品部門にも大きく寄与した。同部門の売上高は8%増の19億㌦を記録した。
一方、同社の基幹事業「メディア・ネットワークス」部門の売上高は8%増63億㌦だった。広告収入が伸びたことやペイテレビ(CATV、衛星放送、電話会社が提供する映像配信サービス)からの配信料収入が好調だった。中でも同部門の稼ぎ頭はESPN、ディズニー・チャンネルなどを抱えるケーブル局グループ。ESPNは、広告収入やペイテレビからの配信料収入が好調で、グループ全体の売上高は9%増となる45億㌦を記録した。また、地上波テレビは、ABCネットワークが放送した大晦日の特別番組が高視聴率だったことなどから、売上高は7%増18億㌦となった。
テーマパーク部門は、米国内の年末から年始にかけての入場者が増えたことなどから売上高は9%増となる43億㌦に達し好調だった。