サッカーやサーフィンなどが有望株

 米国で3大人気スポーツといえば、フットボール、野球、バスケットボール。これらの試合中継番組は高視聴率を確約してくれるとあって、ネットワークテレビなどが高額放映権を払っていることでも知られるスポーツだ。しかし、米国民の人種構成がますます多様化するにつれ、関心が寄せられるスポーツにも新しいジャンルが登場するようになった。メディア・サイト「メディア・ライフ」によれば、“新しいスポーツ”の有望株に挙げられているのがサッカー。さらに、サーフィン、ラグビー、ファンタジー・スポーツなどが続いている。広告主も大きな関心を寄せている。

 

 まず、サッカー人気の台頭については、米国内で最大世代となったミレニアル(1834歳層)世代に大きな割合を占めるにヒスパニック系(スペイン語を母国語とする中南米出身家族)グループのサッカー熱が大きな要因だ。ちなみに、ミレニアル世代は米広告主の間で最も重要なターゲット。

 国際サッカー連盟(FIFA)が2014年に開催した男子サッカー・ワールドカップ(W杯)や15年の女子W杯の決勝戦などが、NBA(米プロバスケットボール協会)主催のチャンピオンシップ戦を上回るほどの視聴率に達したことも後押ししている。

 サーフィンは一般視聴者にとってはまだマイナーなスポーツだが、若者の間で静かなブームになっているという。アイドル的な存在になっている人気選手が登場していることも手伝い、人気スポーツ専門局ESPN13年にプロフェッショナル・サーフィング連合から放映権を取得する決定を下した。ESPNに触発された形で、ライバルCBSスポーツ・ネットワークも昨年発足した世界サーフ・リーグ(WSL)と放映契約を結び、新しい流れに乗り遅れまいと早々に手を打っている。

 ラグビーは、米国人にとって縁の遠いスポーツだが、90年代後半にようやく注目されはじめたサッカーと同じ軌跡を辿る可能性があるという。インターネット上の動画配信サービスなどの普及でラグビー試合が気軽に見られるようになったことも手伝っている。リオ五輪で(7人制)ラグビーが正式種目になったことも、さらなるファン層の拡大につながりそうだ。

 また、ネット上で空想のゲームに挑む「ファンタジー・スポーツ」が若者の間で固定ファンをつかみ始めている。昨年は4000万人が何等かのファンタジースポーツに参加、売上高15億㌦規模のイベントになっている。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>