米国のCATV、衛星放送、電話会社の3社が提供する地上波テレビの再送信とケーブル局配信サービス(有料)、いわゆる「ペイテレビ」加入世帯数が1億軒を下回った。ニールセン社がこのほど発表したもので、2015年10-12月期におけるペイテレビ加入世帯数は9944万軒となった。前年同期の加入世帯数は1億93万軒だった。
ちなみに、ニールセンでは昨年の米国テレビ世帯数を1億1640万軒と定めているので、米テレビ世帯の約85%がいずれかのペイテレビ・サービスに加入し、テレビを見ていることになる。かつては同加入率が9割を超えていた時代もあり、高額月額料を嫌った若者層の間で加速しているペイテレビ・サービスの解約現象“コードカッティング”が数字に表れた結果とも言えそうだ。
一方、同期におけるネットフリックやアマゾン・インスタント・ビデオなどに代表されるネット上の定額制ビデオ・オンデマンド(SVOD)サービスの普及率は、テレビ世帯の48%に達したことも明らかになった。前年同期日の41%から確実に増加している。
さらに、ニールセンの調べでは米消費者がテレビ番組をリアルタイムで視聴した時間は一日当たり4時間27分だったことが明らかになった。前年同期は4時間31分だったのでテレビのリアルタイム視聴は微減に留まった模様だ。
テレビ離れの一因とされるDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)などを利用したタイムシフト視聴時間は同期32分と、前年同期の31分からほぼ横ばいだった。
ニールセンによれば、タイムシフト視聴やSVOD視聴の熱心な利用者として知られるミレニアル世代(18-34歳層)のうち、18歳ミレニアルの97%が両親などと同居していることが分かった。
一方、34歳のミレニアルの90%が独立しており、うち6割が子供もち家族であることも判明した。そして、18歳ミレニアルが同居している家庭のほとんどがSVODにアクセスしやすいブロードバンド(高速通信)サービスに加入しているのに対し、子供もち家族のミレニアルは、ブロードバンド非加入者が大半を占めていることも明らかになった。
また、テレビをリアルタイムで視聴するミレニアルは少数派。同世代の視聴時間は一日平均4時間8分と平均を大きく下回っていることも判明した。
ところで、同社によれば、ペイテレビには加入せず、ブロードバンドのみに加入している世帯は同期387万軒と前年同期比24%増となった。