アップフロント報告(上)


 米テレビネットワーク各社が広告主に対し
9月から始まる新シーズン(201617年シーズン)の番組編成とCM販売交渉を行う重要イベント「アップフロント」が5月中旬から順次始まった。地上波テレビNBCネットワークやケーブル局グループなどを傘下に置くNBCユニバーサル(NBCU)を先頭バッターに、各社大劇場などを借り上げ広告主関係者などを招きキックオフ・イベントを開催、新番組のハイライト版などを初公開した。

 

 

 米テレビ界の雄、地上波テレビ4大ネットワーク(ABCCBSFOXNBC)の新編成内容を見ると、各社往年の映画や過去大ヒットした番組のリメイク版を全面に押し出しているのが印象的だ。

 

 CBS80年代に大ヒットしたテレビ番組『MacGyver (冒険野郎マクガイバー:邦題)』を、FOX80年代後半に大ヒットした映画『Lethal Weapon(リーサル・ウェポン:邦題)』やホラー映画『エクソシスト』などのリメイク版をデビューさせるほか、NBCがアクション・スリラー映画『96時間/レクイエム(現題:Taken)』、ABC70年代後半に公開されたタイムマシン映画『Time After Time(タイム・アフター・タイム)』の番組化を発表する、といった具合だ。

 これらの番組は、番組宣伝が楽なことと、ネットフリックスなど人気沸騰中の動画配信サービスの間で往年のヒット番組が人気を博していることに勇気づけられた結果だ。リメーク版が一定の評価を受ければライブラリーに眠っている過去の番組が新たにシンジケート販売できる可能性もありそうだ。

 昨シーズンはデジタル配信も含め400本以上の番組がお茶の間に登場、業界内からは番組供給過多状況を懸念する声も上がっているが、4大ネットワークではすでに知名度の高いリメイク番組を武器に視聴者の心をつかみたい考えだ。しかし、広告主の中からは「広告主には内容的に親しみのある番組であっても視聴者レベルで広く受け入れられるかどうかは未知数だ」などと、懐疑的な見方をする向きもあるようだ。

 ”ノスタルジー編成”のほかにも、NBCが企画中の『ヘアスプレー』などCM飛ばし視聴の心配がないミュージカル風生番組などにも白羽の矢が立っている。

 なお、編成案公開を受けたプライムタイム番組CMの予約販売交渉では通常7580%CM枠が取引されるが、ウォール街からは前年を割り込んだ昨年に比べ、今年の売上高は2%増とプラスに転じ90億㌦台を復活するという楽観的な見方も出ている。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>

American Media