2015年9月から始まった米テレビ2015-16年シーズンが5月25日終了した。米テレビ界を代表する地上波テレビ4大ネットワーク(ABC、CBS、FOX、NBC)の成績を見ると、「米国で最も見られているネットワーク」の異名をとるCBSが視聴率2冠王に輝き名実ともにナンバーワン・ネットワークであることを実証した。シーズン中のプライムタイム(午後8-11時)(*日曜のみ午後7-11時)における全世帯視聴者数を見るとCBSが平均1091万人(ニールセン速報)とNBCの811万人、ABCの682万人、FOXの578万人に大きく水をあけた。ただ、14-15年シーズン比、CBSが2%減、NBC5%減、ABC14%減と全体的にテレビ視聴者数が減る傾向を見せている。唯一FOXが前シーズン比横ばいだった。
CBSが全世帯視聴者数で1位となったのは過去14シーズン中13回。FOXが2007-08年シーズンで首位の座を奪ったが、この時は全米脚本家協会がストライキ突入、新番組が軒並み放送休止する中FOXが視聴者参加型のオーディション番組『アメリカン・アイドル』でプライムタイムを圧倒した。
一方、広告主がターゲットにしている18-49歳層の視聴率競争でも、CBSが2.3%と2位NBCの2.1%を抑えてトップの座を獲得した。1991-92年シーズン、2012-13年シーズン以来3度目の勝利。2月に開催された『スーパーボウル』の独占中継が大きく寄与した。同ネットワークは長年に渡り、ファン層が高齢視聴者に偏っていたため“シルバー・ネットワーク”などと揶揄されていたが、今シーズンは若者視聴者層をしっかり取り込み汚名を返上した形だ。ちなみに、FOXが1.9%で3位、ABCが1.8%で最下位に終わった。
CBS高視聴率の原動力となったのが、相変わらず人気の衰えを感じさせない『NCIS:ネイビー犯罪捜査班(邦題)』やコメディー番組『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則(邦題)』などの長寿番組。両番組とも1エピソードごとの平均視聴者数が2000万人を下らない人気ぶりを維持した。
ちなみに、両番組は今シーズン全世帯視聴者数でスポーツ番組を除く人気番組ランキングでビッグバンが1位、NCISが2位にランクされた。全カテゴリーの人気番付ではNBCのアメフト中継番組『サンデーナイト・フットボール(SNF)』が、平均視聴者数2140万人とトップの座についている。18-49歳層ではSNFが首位、2位のFOXのヒップホップ・ドラマ『エンパイア:成功の代償』に次ぎ『ビッグバン』が3位にランクされた。