【デジタル広告費がTV広告費を抜く!――今年末予想】

オンライン・リサーチ会社”eMarketer”(9月13日付)によれば、米国では今年末、年間のデジタル広告費が初めてTV広告費をうわまわることが明らかになった。3月時点では、「来年逆転」と予想していた”eMaeketer”dだが、デジタル広告費の伸びが予想以上だったとしている。
今年12月末までの年間予測値は、デジタル広告費が720億9000万ドル(約7兆2090億円)で、TV広告費の712億9000万ドル(約7兆億1290億円)を8億ドルほど上回る見込みだという。米国のメディア広告費全体からみると、デジタル広告費は36.8%、TV広告費は36.4%となり、逆転する。しかし、今年はリオデジャネイロ五輪や大統領選挙でTV広告費も昨年に比べて24億ドル(約2400億円)ほど伸びていて、決して不調だったわけではない。昨年に比べて122億ドル(約1兆2200億円)も増えたデジタル広告収入の伸びが顕著だったわけだ。(下の図は2015年実績と2020年までの米国内のTV広告費とデジタル広告費の推計値)

2020年のTVの予想広告費は779億3000万ドル(約7兆7930億円)で2015年比13.1%の伸びであるのに対して、デジタル広告費の予想は1131億8000万ドル(約11兆3180億円)とされ、同比89.2%の伸び率となっている。
今年伸びたデジタル広告の中でも携帯電話広告の伸びは前年比45%増の459億5000万ドル(約4兆5950億円)とみられている。米全体の広告市場が約2000億ドル(約20兆円)とされるなか、2019年までには携帯広告費は全体の三分の一を超えると推測されている。その携帯広告市場でももっとも占有率が高いのがGoogle(携帯広告全体の32%)、続いてFacebook(同22.1%)となり、この2社で、携帯広告費の半分を超える、まさに「巨人」となっている。(下図は米国内のデジタル広告費のフォーマット別割合。参考資料)