【ディベート史上最高のTV視聴数――ネットも参戦で激戦に】

すでに伝えられているように9月26日の米国大統領候補第1回ディベートは、視聴数8400万というディベート史上最高の視聴数となった。昨年の米プロフットボールリーグ(NFL)の頂点、スーパーボウルの1億1440万に次ぐ視聴数だ。
 TV各局の視聴数は以下のようになっている。
NBC 1820万
ABC 1350万
CBS 1210万
FOX NEWS 1140万
CNN 990万
FOX broadcast network 550万
MSNBC 490万
一方、今回のディベートでも注目すべきは、この4年の間に進歩を遂げたデジタル・メディアの活動だ。FacebookはSocial mediaでは唯一、第1回と第3回の討論会のスポンサーとなるなど、ディベートに力を入れているが、Facebook Live Videoのアクセス数は5500万にのぼり、三大ネットワークを足した視聴数を超えている。
今回のディベートでは、2012年の前回に比べて、TVとデジタル・メディアとの協力が一段と進んだ環境だったことは強調しておかなければならない。

これは7月の党大会中継に続く動きで、FacebookはABCと、TwitterはBloombergと全面的なパートナーシップを結んでlive-streamingをおこなった。Twitterのアクセス数は発表されていないが、討論前後のそれぞれ30分間はBloomberg の報道番組をstreamingし、その広告収入はBloomberg との間でシェアすることになっている。Twitterはlive-streamingの充実をユーザー数拡張と広告収入増のための成長エンジンとする戦略を立てており、7月の党大会では早々とCBSと全面的に組んでライブ中継を行ったほか、NFL(アメフト)、NBA(野球)などのスポーツコンテンツも取り込もうとしている。
 YouTubeでの今回のライブ・アクセス数は250万にのぼる。

YouTubeはYouTubeから生まれた若者世代のスターTimothy DeLaGhettoやFung Bros.を使ってミレニアル世代に選挙登録と投票を呼びかけるキャンペーを展開しており、ディベートの翌日にはオバマ大統領がキャンペーン番組に電話で出演するなど、独自の大統領選報道に取り組んでいる。
 TVにとっても、デジタル・メディアにとっても、営業面を含めてきわめて有益なライブイベントとしての大統領候ディベートは、あと2回、10月9日と10月19日に行われる予定だ。

画はhttps://www.youtube.com/watch?v=cM234QZJfC8
にYouTubeに電話出演するオバマの写真あり。
下の図は大統領ディベートの視聴数の歴史。
2位は1980年のレーガンVSカーター
3位は1992年のブッシュVSクリントン