【今年のスーパーボウル、TV視聴数は1億1130万人―-史上4位】

1月5日(日)、第51回スーパーボウルが開催された。スーパーボウル史上初の延長戦となり、最後は劇的なタッチダウンでニューイングランド・ペイトリオッツが逆転勝ちした。ハーフタイムにはレディー・ガガのダイナミックなパフォーマンスが、全米最大のスポーツイベントを彩った。放送権を持つFOXが独占放送し、テレビ放送の世帯視聴率は48.8%(シェア72%)、視聴数は1億1130万で、史上4位だった。FOX Sports Goのアプリ経由のlive-streamingでの視聴数は172万、スペイン語放送のFOX Deportesの視聴数65万を合わせた1億1370万視聴だと史上2位になる。テレビ放送の48.8%という視聴率は昨年のCBSの49%にはわずかに届かなかったが、FOXとしては過去最高の視聴率で、今年もライブ・スポーツイベントの強さを見せつけた大会となった。調査会社iSpotによれば、FOXのスーパーボウル総広告収入は5億960万ドル(約570億円)に及ぶという。

スポット広告の総量は49分54秒(前年は49分35秒)、65のブランドが104のスポットを提供し、30秒あたりのスポット料金は平均で500万ドル(約5億6千万円)、史上初の延長戦が収入にもプラスになった。
試合映像は、NBCが完全独占し、1秒たりとも他局が使えなかったリオ五輪とは異なり、試合終了直後には各ネットワークのニュースでハイライト・シーンが流れた他、翌日のスポーツニュースや情報番組でも、劇的なタッチダウンのシーンは繰り返し放送されていた。
実は、昨年9月からのNFLのレギュラーシーズンのテレビ視聴率は、前年比9%も下落した。これは米大統領選挙が終盤戦にかかり、トランプ、ヒラリー両候補の舌戦が本格化したことで、選挙報道に視聴者を食われたことが大きい。また、11月以降もトランプ大統領の当選によって、フットボールへの視聴者の戻りが鈍かったと指摘されている。
しかしながら、NFLの公式戦の30秒スポットCM料は平均で前年比6%もアップしている。

ネットワークごとの30秒スポット料金は以下のようになっている。
NBC (Sunday Night Football)    61万4972ドル(約7379万円)+6%(前年比)
CBS (Thursday Night Football)  53万7494ドル(約6449万円)+9%
     (Sunday afternoon games)  40万6405ドル(約4876万円)+4%
FOX (Sunday afternoon games) 53万1871ドル(約6382万円)+6%
ESNP (Monday Nignt Footboall) 30万1733ドル(約3620万円)+1%
ゲームの放送権料もうなぎ上りで、1シーズンのNFLへの各局ごとの支払いは以下のとおりだ。
NBC 9億6千万ドル(約1152億円、Sunday Night Football分)
4億6500万ドル(約558億円、Thursday Night Football半期分=CBSと半期ごと)
CBS 10億ドル(約1200億円、Sunday afternoon games分)

ESNP 19億ドル(約2280億円、(Monday Night Football+ハイライト権)
 上記4局だけで6948億円を超える巨額の放送権料がNFLに入ることになっている。しかし、放送権料の高騰にもかかわらず、米国で絶大な人気を誇るフットボールは、相変わらずテレビ局にとってキラーコンテンツで、カレッジ・リーグから各地のハイスクールのリーグ戦まで、ネットワーク各局だけでなく、ローカル局をも巻き込んで、放送権獲得の激しい戦いが繰り広げられている。