Amazon、制作費に45億ドル(約5040億円)を投下――

JPMorganの調査によると、Amazonは2017年中に制作費として45億ドル(約5040億円)を、コンテンツ制作に投入する計画だという。
 AmazonのCFOブライアン・オルサフスキーBrian Olsavskyは昨年、Amazon Prime Video のオリジナル作品を3倍に増やし、コンテンツ制作には2倍の資金を投下すると言っていたが、ほぼそれに沿って計画をすすめている。
 そのAmazonも、60億ドル(約6720億円)を今年のコンテンツ制作費とするNetflixには及ばないが、コンテンツ制作分野での主要なプレーヤーとなることは確実だ。ちなみに昨年の制作費では、スポーツ専門ケーブルチャンネルのESPNがスポーツ権料の高騰によって73億ドル(約8176億円)とトップを走り、3大ネットワークのNBCは43億ドル(約4816億円)、CBSは40億ドル(約4480億円)となっている。

Time Warner系のケーブル有料チャンネルの雄で人気ドラマを連発しているHBOの昨年の制作費が約20億ドル(約2240億円)であったことからも、Amazonの集中的なコンテンツ投下への伸びは突出している。
 Amazonは去年12月に200をこえる国でPrime Videoをスタートさせており、オリジナル制作にも積極的で、BBCで長寿人気を誇った自動車番組”Top Gear”の出演者をそのまま引き継いだ ”The Grand Tour” シリーズの制作に2億5千万ドル(約280億円)をつぎ込んだ。
 Eコマースの巨人であるAmazonは、Videoコンテンツの収入を個別に公表していないが、2016年のstreaming収入は2014年の2.5倍近い25億ドル(約2800億円)前後になったと見られている。 また、Amazonは番組制作だけでなく、スポーツイベントの権利獲得へも乗り出していて、今季NFLのフットボールゲームのうちThursday Night Games 10試合の権利を5千万ドル(約56億円)で獲得した。これはAmazon Prime Videoで視聴可能となる。

NFLのブライアン・ロラップBryan Rolapp副社長は「Amazonの深く豊かなstreaming経験は注目に値するものだ」と述べ、新しいメディアの参入を歓迎している。  AmazonはこのほかにもNBA(バスケットボール)、サッカー、サーフィンなどの権利獲得へ動いており、アメリカ以外でも、インドの国民的人気スポーツであるクリケットのプレミアリーグ権の獲得に名乗りを上げるなど、世界的な規模でもスポーツイベントへと、その戦略を広げている。