タイム・ワーナー、1億ドルでSnapに短尺オリジナル番組を提供

タイム・ワーナーTime Warnerは、デジタルプラットフォームSnapchatに年間10のオリジナル番組を制作、提供することで、Snapと契約を結んだ。
制作するオリジナルはいずれも3分から5分の短尺のドラマやコメディで、デイリー・ニュースショーも計画されている。これに加えSnapchat 上でタイム・ワーナー系ケーブルチャンネルHBOのドラマ予告編などを展開することも含めて、期間2年総額1億ドル(約112億円)の契約となっている。
Snapchatのユーザーはおもにミレニアル世代で、TVネットワーク各社にとっては、リーチを切望するターゲットだ。この短尺のオリジナル番組につく広告については、その広告料をSnapchatとタイム・ワーナーとで折半することになっている。
以前はTVネットワーク各社は、SnapchatをPay-TVビジネスへの脅威と見なしていたが、ミレニアル世代で急速に進むコードカッティングなどのテレビ離れへの対抗策として、いまではSnapchatのプラットフォームを積極的に利用する戦略へと舵を切った。

タイム・ワーナーのマーケッティング担当副社長ゲイリー・ギンズバーグGary Ginsbergは「われわれのもつ動画コンテンツの制作力とブランド力を、 Snapchatのダイナミックなプラットフォームと結合することは、エキサイティングであるとともに自然な動向だ。この協力によって、多くの視聴者がわれわれのコンテンツに興味を持つことを確信している」と語っている(”Variety”, 6月19日付)。
Snapは3月に大手制作企業MGMとも短尺オリジナル作品の制作・供給で契約を交わしており、すでに4大ネットワークのABC、NBC、スポーツ専門チャンネルのESNP、英国のBBCともオリジナル作品提供でパートナー関係を築いている。
Netflix、Amazon、HuluなどのOTTが巨額の制作費を投入して、長尺のオリジナル作品に力を注いでいるのに対して、圧倒的に若いスマホuserが多いSnapchatは、短尺のオリジナル番組で活路を見出そうとしている。