――デジタルはショートニュースの時代
三大ネットワークのひとつ、NBCNewsが7月19日からソーシャル動画アプリSnapchatに定時のショートニュース番組を制作し始めた。
ニュース番組は ”Stay Tuned”というタイトルで、2分から3分のショートニュース番組。ウィークディは午前7時と午後4時、土日は午後1時に SnapchatのDiscoveryプラットフォームでstream
され、この2~3分に、4~5本の米国内ニュースや国際ニュース、ポップ・カルチャー情報や政治解説が入る。ブレーキング・ニュースが飛び込んだ場合はニュース番組をstreamingすることでも合意している。NBCNewsのニック・アシェイムNick
Ascheimデジタル部門責任者は、「Snapchatのユーザーは若い世代で、われわれがなかなかリーチできない層だ。この年齢層は従来型のテレビ番組は見ないが、スマートフォンで大量の動画を見ている。ニュースを見ることを彼らの日常のルーティーンにすることが最終目標だ」と語り、ことに13歳から24歳までの年齢層をターゲットにしている。
NBCNewsはこの”Stay Tuned”制作に、ディレクター、編集、グラフィックデザイナーなど30人規模のチームを編成した。番組には広告がつき、広告収入は二社でシェアされる。すでにSnapchat上には多くのニュースコンテンツがあるが、Snapchatのフォーマットに特化したニュース番組は初めてだ。番組は、スマートフォンに合わせて縦型の画面で制作される。
今回のニュース番組の提供は、同じNBC系のNBCUniversalがこれまでSnapchatにエンタメ番組を制作し、そのユニーク・ユーザーが800万を超え、マネタイズの方法も確立できたことから、若年層へのリーチが効果的だというデータに基づいて判断された。またSnapchatの親会社Snapがこの春、株式を上場する際、NBCUniversalは5億ドル(約560画億円)を投資しており、ニュース番組の制作はそうした戦略的事業の延長線上にあると言える。
こうした、若年層向けのショートニュース番組は、デジタルプラットフォームでは流行になるつつあるようで、BuzzfeedもスマートスピーカーAmazon Echo向けに”Reporting to You”という毎朝2分から3分のオーディオ・ニュース番組の制作を決めた。Buzzfeedは「ターゲットは若年層で、スマートスピーカーを一番使う朝の忙しい時間にニュースをワンストップで得たい人たちだ」として、今後はさまざまなチャットボットにも広げていきたいとしている。