Netflix の借入金は200億ドル――オリジナル番組制作と版権に投入

Netflixが1997年8月、カリフォルニアで設立されてから20年になる。DVDの郵送レンタルから始まり、今では世界全体で加入者1億400万人に向けたSVODによるコンテンツ配信のみならず、オリジナル作品を精力的に制作するエンターテインメント・メディアとなった。その加入者数はこの5年でほぼ4倍になっている。
北米大陸のプライムタイム帯のインターネット・トラフィックの3分の1がNetflixのダウンロードだという。今年のエミー賞のノミネートに上がったNetflixの作品は50作を超えた。好調の波に乗って、Netflixは最近、南カリフォルニアからハリウッドの14階建てのビルへと本社を移した。
 “The Los Angeles Times”(7月31日付)によれば、そのNetflixの長期・短期の借入金は205億4000万ドル(約2兆2594億円)に上るという。内訳は、長期借入金が48億ドル(約5280億円)、短期借入金が157億ドル(約1兆7270億円)となっている。

AmazonやHuluなどStreaming各社もオリジナル作品の制作に積極的に参入する中で、Netflixは質の高いオリジナル作品が加入者の増加に直結しているという理由で、今年は約60億ドル(約6600億円)を制作費にあてている。ここにはオリジナル番組の制作だけでなく、他社制作のシリーズものの版権取得費用なども含まれ、コンテンツ全体への支出だ。
キャッシュ・フローは昨年の17億ドル(約1870億円)から25億ドル(約2750億円)へと大きく伸びている。
現状では投資家も、こうしたNetflixの強気の経営戦略を好感しているようで、この1年で株価は約50%上昇している。
Netflixの目標は、オリジナル作品の比率を番組全体の5割まで高めることで、当面フリー・キャッシュフローはネガティヴな状態が続くと予想される。

しかし、今年、米国外の加入者が5200万人と、米国内の加入者数を初めて超えたことから、Netflixでは、米国内の市場はほぼ飽和状態と見て、欧州とアジアを今後の主な市場と見ている。ただし、中国からは締め出されているため、狙うのはもっぱらインドと日本のマーケットだと言われている。