平昌冬季五輪の開幕まで100日を切った。今年は米国スポーツ・イベントの頂点スーパーボウルのキックオフが2月4日、平昌五輪は2月9日に開会式で、この両方の放送権を握るのがNBCだ。
Comcastグループの中心的メディア企業NBCUniversalは2011年6月に、2014年のソチ冬季五輪、今回のリオデジャネイロ夏季五輪、2018年の平昌冬季五輪、そして2020年の東京夏季五輪の計4大会のアメリカ国内向け独占放送権を、43億8000万ドル(約4905億円)で獲得している。
2017年のスーパーボウルの独占放送権はFOXだったが、来年はNBCだ。
NBC Sports Groupのダン・ラヴィンガーDan Lovinger副社長は「米国のマーケットは堅調で、セールスは活発だ」として、平昌五輪の広告収入を前回ソチ五輪の8億ドル(約896億円)から11,12%アップし、全体としては9億3500万ドル(約1047億円)を見込んでいる、と語った(”TelevisionNewsDaily”10月31日付)。
NBCはこれまでの世帯視聴率を変更して、「age 2+(2歳以上)」の具体的な年齢階層別視聴率での営業を進め、イン・ハウスでのTAD(Total Audience Delivery)方式を採用するとともに、ソーシャルメディアのSnapと共同で、デジタル・デバイスでの広告活動を行って、スマホでの視聴も大きく取り込む戦略を明らかにした。
またNBCは冬季五輪では6秒CMを多用する予定だ。
一方、スーパーボウルでは30秒のスポットを今年並みの1本500万ドル(約5億6000万円)に設定し、全体としては3億5000万ドル(約392億円)の売り上げを見込んでいる。すでに30秒スポットはほぼ完売状態だと言う。ちなみにスーパーボウルでの30秒スポットは10年前の2007年には239万ドル(約2億6700万円)だったのが、この10年でほぼ2倍と高騰している。
NBCは今回の2大スポーツイベントの開催日が接近していることから、五輪とスーパーボウルをセット販売していて、冬季五輪とスーパーボウルの広告収入の約25%がセット販売での売り上げとなっている。
北朝鮮の核ミサイルをめぐる不安定要因はあるが、NBCは広告収入への影響はほとんどないだろうと見ている。