DTCのカギ、オリジナル制作――現状ではNetflix 229作、Amazon 105作

 

 SVODをリードするNetflixの現時点でのオリジナル作品は229作で、さらに250作を制作発注している。

 一方、Netflixを追い上げるAmazon Prime Videoもすでに105作をオリジナルとしてアップしているが、さらに100作品の制作を計画していて、オリジナル制作競争に拍車がかかっている。

 しかし、先行するこの2つのプラットフォームも安穏とはしておれず、すでに、Facebook Watch、YouTube Premiumなども、合わせて65作品が新たにリリースされる予定で、今後もオリジナル作品へ積極的に投資していく。これに加え、9月からWarner Bros.が始めたDC Universeや、来年Disneyが満を持してスタートさせる、豊富な自社コンテンツとFOXのコンテンツを網羅するDTCプラットフォームなど、SVOD市場は、ますます苛烈な競争に入っている。

 各プラットフォームの特徴もはっきりしてきており、Netflixは主に若者中心のコメディやSci-fi(サイエンス・フィクション)に注力していて、いわゆるドラマシリーズは全体の17%にすぎない。一方Amazonはオリジナル作品の29%がドラマシリーズとなっている。

 Disneyも、これまでの情報によると、“High School Musical”や”Monsters Inc.”のスピンオフを含めた19本のオリジナルシリーズを、新たなプラットフォームに公開することになっている

 Ampereのアナリストは「すべてのSVOD大手が競争の激化するマーケットで、オリジナル作品を増やすことに躍起になっている。興味深いのは、それぞれが違った視聴層を狙っていることで、ターゲットはSVOD市場の異なるニッチであることだ」と語っている。

 たとえばYouTube Premiumは若者向けコメディを中心に据え、レアリティ・シリーズは減らす計画だ。またFacebookはニュースやドキュメンタリー、リアリティ番組を中心にするが、ドラマやコメディも制作予定だ。

 各社は、それぞれの契約者の特徴と嗜好に関するビッグ・データの分析によって、ターゲットを絞り込んだ良質なオリジナル作品の制作に向かっていて、巨額の制作費を投じてターゲットを取りに行っている。