ウォルマートもオリジナル動画配信に参入

  

 世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマートWalmartが、2019年前半に、オリジナル動画の制作と配信に乗り出す。実はウォルマートは2010年に動画プラットフォームVuduを買収し、アマゾンよりも一足先にオリジナルコンテンツの制作に乗り出している。

 しかし当初Vuduのプラットフォーム”Movie On Us”は広告付き無料であったために、他の有料契約SVODのように契約数によるマネタイズが進まなかった。数年前にVuduは、無料のプラットフォーム(映画とテレビバ番組5000本)に加えて、15万作品を有料で購入したり、レンタルできるSVODも始めている。

 2018年4月時点での動画配信の世帯アクセス率では、ネットフリックスが73%、YouTube 50%、Hulu 36%、Amazon Prime video 28%に対して、Vuduは13%とライバルに大きく水をあけられている。

 今回ウォルマートがオリジナル作品の制作でパートナーに選んだ映画スタジオMGM (Metro goldwin Mayer)は、「ジェームズ・ボンド」シリーズや「ロッキー」などの名作を送り出したハリウッドの老舗で、ライブラリーも充実したスタジオだが、規模が小さく、動画配信への取り組みが注目されていた。

 しかし発表によると、ウォルマートはネットフリックスやアマゾンのように、オリジナル制作に巨額の資本を投じる計画はないようだ。もともとウォルマートは「毎日が低価格」を売りにする低・中所得層向けのマーケットチェーンで、Amazon Primeのように年額119ドル(約1万3200円)の契約料を取るのではなく、米国内の大都市の外に住む住民をターゲットにするようだ。その意味では、MGMの持つ名作映画の数々も”Family-friendly”な路線にマッチすると言えるだろう

 アナリストの中には「動画配信マーケットはすでに飽和状態だ」としてウォルマートの試みを中途半端とみる向きもある。月額契約料やオリジナル作品の内容や本数など、まだ全体像は不明だが、ウォルマートとしては、すでに手元に集積されている膨大な顧客のビッグ・データを、新たに取得する視聴データと連動させて、さらなるリテイルにつなげようという狙いがあることは確実だ。