選挙開票、視聴数はFOXに軍配

 

 11月6日の中間選挙では、民主党が下院の過半数を奪還したが、TV各局の開票速報番組(午後8時から11時までのプライムタイム)では、FOXが最大の視聴数を獲得した。

 ニールセンによると、2018年選挙開票の総視聴数は3530万で4年前の中間選挙より57%もアップした。投票率も大きくアップしたが、トランプ政権の2年の実績を問う選挙としての注目度が高かったことがこの数字からもわかる。

 その中でももっとも視聴数が多かったのがFOX News Channelでトータルアヴェレージは780万視聴(前回比23%アップ)、次がNBCで570万(同40%アップ)、ABC 530万(同70%アップ)、CNN 510万(同141%アップ)、MSNBC 470万(同182%)、CBS 390万(同24%アップ)と続く。

 25歳から54歳の視聴層に限るとCNNがトップで250万視聴、FOXが240万となっている。

 CMの総尺は例年と同じく、通常編成に比して大幅に短くなっていて、午後7時から10までの時間を比べてみると、CNNではわずか6分がCMにあてられ(通常枠42分30秒)、10社、1NPO団体のCMだった。

 これに対してMSNBCは32社で19分(同32分30秒)、FOX Newsは47社のCMに25分(同38分)をあてた。

 開票番組への広告としてはアップル、フェイスブック、プレイステーション、グーグルなどが上位を占めた。

 開票速報番組としてはCM枠を大きく削減するものの、選挙期間中の「政治広告」は今回もPACなどの集金マシーンによって大幅に伸び、テレビとラジオだけでも全米で32億7000万ドル(約3629億円)にのぼり、デジタル広告は9億ドル(約1000億円)に達するとの見通しが出ている。中間選挙は議会選挙と州知事選であることから、多くの政治広告費はローカルTV局に向かい、総額は上記のうちの30億ドル(約3330億円)に相当し、4年前のほぼ倍にのぼったと見られている。

 もっとも多くのローカルTV広告費が使われたのがミズーリ州上院議員選で6345万ドル(約70億4200万円)、続いてネヴァダ州上院議員選の5505万ドル(約61億1055万円)と推計されている。

ちなみに支出したのは、民主党系はPriorities USA と House Majority PAC、共和党系はCongressional Leadership Fund とSenate Leadership Fundなど名だたるPACとなっている。