ディズニーCEO「将来的にはStreaming Serviceが主眼に」

 

 総合コンテンツの王者ディズニーは、来年、動画配信をスタートさせるが、ボブ・アイガーCEOは四半期決算説明会で、DTCの動画配信サービスが将来の事業の主眼(Centerpiece)になる、と語った。

 ディズニーは今年春、スポーツ動画配信のESPN+をスタートさせ、半年で100万有料契約者を獲得した。また21世紀FOXの買収によってHuluの株式の60%を握ることになる。そして来年早々には、いよいよ主力となるDisney+をスタートさせる。

 動画配信サービスDisney+はファミリー層向けのディズニーの豊富な映画コンテンツに加え、Pixar、LucasFilm、Marvel、National Geographicなどの映像コンテンツも取り込む予定で、米国内でスタートさせた後、早々にEU市場にも乗り出していくとみられる

 アイガーCEOは「ESPN+とDisney+はスターティング・ポイントにすぎない。われわれは新しい、独自のコンテンツを、パイプラインを通じてコンスタントにコンシューマーに届け、視聴の面白さと動画の価値をますます高めていく計画だ」と語った。

 ESPN+は今後もスポーツ動画配信の中心となるが、来年第1四半期に約1億ドル(約111億円)を投じる計画で、ESPN+が収集したデータを活用して、大学スポーツの経験者をターゲットにしたマーケッティングを始める予定だ。

 そして、Comcastが株式の30%、AT&Tが10%を保有するHuluについては、総合エンターテインメント路線で企業価値を高めていく、としている。

 「広告付きのHuluは、広告主にとっては大変力強いプレイヤーで、今後はターゲット広告を強力な武器にしたい」とアイガーCEOは語り、Huluのオリジナル制作にも力をいれるとともに、ComcastやAT&Tとも話し合い、HuluをNetflixのように、インターナショナル化していくことに意欲を示した。

 ディズニーは買収したデータテクノロジー会社BamTechを使って、住所、趣味、好きなチームなど、契約者の膨大なデータをパーソナル化しカスタマイズする作業を進めており、ディズニー動画配信事業とターゲット広告の推進力とするつもりだ。

 今回の決算説明会では、アイガーCEOの話はほとんどが動画配信にあてられ、ABCなどのTVネットワークやテーマパークについては、アナリストからもほとんど質問が出なかった、という。