Viacom、無料ストリーミングサービスのPluto TVを約377億円で買収

 

 パラマウント映画やMTVを持つpay-TVの巨大企業Viacomが、動画配信サービスPluto TVを3億4000万ドル(約377億円)で買収した。

 Viacomは4大ネットワークと異なり、ローカル局やフットボールなどの大きなスポーツ権利を持っていない。今年動画配信サービスを始めるディズニーやAT&T、2020年のスタートを宣言したNBCに比べて動画配信OTTへの取り組みの遅れが懸念されていたが、Pluto TVの買収によって、on-line動画への戦略を一挙に加速させることになる。

 ロサンゼルスに拠点を置くPluto TVはScripps Networks Interactive, Sky, Third Wave Capital Partners, Samsung Venture Investment Corp.などの投資を受けて2013年に設立された広告付動画配信サービスで、映画やニュース、カートゥーンなどを、100チャンネルをオンデマンドによって無料配信している。

  月間ユーザーは1200万で、そのうち750万がconnected TVを利用している。2019年度の売上は1億5000万ドル(約166億円)と予測されていて、その大部分がデジタル広告だ。

 Viacomは2018年にはデジタル動画の制作会社OwesomenessTVを2500万ドル(約27億7000万円)で買収しており、今回のPluto TVの買収で、NetflixやAmazonに対抗する動画配信OTTの基盤が整ったと言える。

 Viacomのボブ・ベイキッシュCEOは「これはViacomの進化への重要な一歩だ。Pluto TVのユニークで市場をリードする力とVaicomのブランド、コンテンツ、進んだ広告機能の力、グローバルな展開力がひとつになって、あらたな大きな可能性を開くと信じている」と語り、「ad-supported動画配信のマーケットはまだ多くの余地を残している」と広告付無料動画配信の可能性についても強調した。