アメリカン・フットボールの頂点を決める第53回スーパーボウルは、ニューイングランドのペイトリオッツがロサンゼルスのラムズを破って6度目のチャンピオンとなったが、13-3という最少スコアとタッチダウンの少なさでは、「退屈な試合」と酷評されていて、それが響いたのか、視聴数、番組内広告収入とも昨年に比べて減少した
CBSのテレビ放送の視聴者は9820万人(前年1億340万人)で5%の減少となり、視聴率では67%と去年から1%ダウンした。デジタル視聴を合わせても1億700万人と、2009年以来最少の視聴数となった。
また試合番組内の広告収入も3億8200万ドル(約424億円)と前年(4億800万ドル=約452億円)を5%下回った。
スーパーボウルのスポットCMは米国のあらゆるテレビ番組の中で最高値だが、今年の30秒スポットCMは525万ドル(約5億8200万円)で前年を若干上回っている。1秒あたり17万5000ドル(約1942万円)だ。CM総量は49分45秒で、昨年の51分20秒から1分45秒少ない。
しかしながらプレゲーム、ポストゲームの番組のCM収入は4億5000万ドル(約501億円)で、これまでで最高となっている。
最大のアドバタイザーは、今年も「ゲーム・オブ・スローン」のエピソードをCMにして話題を振りまいたバドワイザーのメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(5900万ドル=約65億4900万円)、続いてAmazon(2500億ドル=約27億7500万円)、つづいてGoogle、T-Mobile、トヨタが2000万ドル(約22億2000万円)となっている。
スーパーボウルへのCMに見るように、AmazonはテレビCMへ広告費を集中的に投下し始めている。去年1年間を見るとAmazonは6億7910万ドル(約753億円)をテレビCMに宛てていて、これは2017年の60%増、2015年のほぼ2倍にあたる。Google(Alphabet)の2018年のテレビCMも、5億2250万ドル(約579億円)と前年比45%増となっている。両社ともスマートスピーカーのプロモートへの投下が大きく、これまでほとんどデジタル広告に頼ってきたGAFAも不特定多数の視聴層でもブランドの構築という点では、テレビCMの強さを最認識しているようだ。