米国のTV広告市場では、アドヴァタイザーもヴェンダーもデータ・ドリヴンの広告へと大きくシフトしている。下の図のように、データ仕様のアドレサブル広告は、2016年には7億6000万ドル(約840億)だったが、2018年には20億ドル(約2220億円)と2.6倍に伸び、来年2020年には33億7000万ドル(約3740億円)に達すると見られている。
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米国TV広告のデジタルを除いた市場規模は、2020年には695億ドル(約7兆7000億円)と予想されているので、それからすれば、アドレサブル広告は5%にすぎない。しかし、広告収入の微減が続く米国TVマーケットでは、この5%は、微減を補うとともに、TV広告のリーチの透明性と、クライアントの、狙いを絞ったキャンペーン企画につながるため、データ・ドリヴン広告の将来性はきわめて注目されている。
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eMarketer(1月28日)は、Comcast、AT&T、Coxという米国の通信大手三社が出資するデータ・ドリヴンのTV広告会社NCC Mediaのニコッレ・パンジス(Nicolle Pangis)CEOへのインタビューを掲載しているが、パンジスCEOは、広告効果の測定の透明性を確保でき、どの程度貢献できたかを示せるデータ・ドリヴン広告は、次々にキャンペーンを仕掛けていくための重要な指標となっていると述べ、ビッグデータをどのようにdigestible=うまく消化して使いこなすかがカギだ、と語っている。