「インスタ映え」がすでに日常語になったインスタグラムが、去年6月にスタートさせた60分の投稿動画プラットフォームが、今後のインスタグラムの成長をささえるベースとなるかもしれない。
インスタグラムは2010年に投稿写真シェアのアプリとしてスタートし、およそ2年半で1億人のユーザーを獲得した。
成長に拍車がかかったのは、2013年6月に15秒動画の投稿とシェアが可能になってからで、9か月後の2014年3月には、ユーザー数は2億人を超えた。
スタートからわずか3年半で2億人の固定ユーザーを獲得したことになる。
その後2016年3月には60秒までの動画投稿ができるようにし、その年の8月には、Snapchat型のStoriesをスタートさせ、わずか2か月間で、Storiesだけでデイリーユーザー数1億を獲得した。その後もユーザー数は伸び続け、2018年6月の時点でのユーザー数は約10億人とされている。
そのインスタグラムは2018年6月に、同じくVertical画面のIGTVという、今度は60分までの動画投稿を可能とする長尺プラットフォームをスタートさせた。もはや写真の「インスタ映え」を超えて、YouTube と並ぶ動画サイトとなっている。
その狙いは、今年160億ドル(約1兆7600億円)にも達すると言われる携帯電話の動画広告市場に食い込むことだ。
インスタグラムは今のところオリジナル作品を制作する計画はない、としている。もっぱら売出し中のクリエーターや新しいクリエーターを発掘して「ユーチューバ―」のようなインフルエンサーに育てる「軽量級」作戦で若年層にユーザーを増やしていく計画だ。すでに若い話題のミュージシャンたちが続々とプログラムをIGTVに投稿していて、500万ビューを超えるものもあらわれている。
IGTVの制作者は「いちばんワクワクするのは、自分たちのまだ知らない人たちがこのプラットフォームで成功していくことだ」と語っている。