2019年のOTT動画配信の広告収入は前年比20%増の26億ドル(約2860億円)となる見込みだ。OTTの場合、定額動画配信(SVOD)と広告付き無料動画に大きく別れ、もっぱらSVODについて語られることが多く、また、同年のテレビの広告収入予想692億ドル(約7兆6120億円)に比べれば、OTT動画配信広告収入は3.7%にすぎないが、テレビの広告収入が微減を続けるのに対して、OTT広告収入は今後しばらくは2ケタの伸びを示すと予想される。
ただ、テレビの視聴率にはニールセンのデータという一定の共通指標があるのに対して、OTTはデバイスも多様で各社が独自のメトリックスを採用していることから、他社と比較しやすいテレビの視聴率の方がOTTより価値が高いと評価するリサーチャーもいるようで、今年伸び率は前年の42.2%からは大きく鈍化している。しかし、OTTとテレビの広告比較について尋ねたアンケートによると、下図のようにコンテンツの内容こそテレビが勝るものの、トータル・リーチやデータの質、データの使い勝手、年齢層による差別化などはいずれもOTTの方が好ましい、との結果が出ていて、OTT広告の利点としては「正確なターゲッティング」が58%と高い数字になっている。