前回、APの記事を紹介したが、Common Senseが8歳から18歳までの米国の若者の日々のメディアとの接触を調査した元の資料『米国10代のメディア調査2019』https://www.commonsensemedia.org/sites/default/files/uploads/research/2019-census-8-to-18-full-report-updated.pdf で、米国の10代がどんなメディアをどのくらい使い、何を見ているのか、詳細を見ていこう。
TV受像機でTV番組を見る人は半数に 他のディバイスで見る人は1.5倍に
まずTVで注目すべきは、2015年にはTV番組はTV受像機の前で、OA時に見る割合が48%だったのに対して、2019年には24%と半減していることだ。ではTV番組を何で見ているかと言うと、タイムシフトが33%から40%に伸びており、「携帯、タブレット、CPなど他のディバイスで」と答えた割合が、19%からほぼ倍の36%に伸びていることだ。つまり米国の10代はTVセットの前(24%)でよりも、他のディバイスを使ってTV番組を見る機会(36%)の方が多い、ということだ。
スマートホンの所有率も大きく伸びていて、2015年には一番多い18歳でも77%が自分のスマホを所有するだけだったが、2019年の調査では14歳以上の所有率は80%を超え、18歳では91%が所有している。13歳以上では平均が67%から84%へと大きく伸びている。
TV番組の視聴時間は24分減少 スマホでのTV番組視聴時間は3倍に
同じく13歳から18歳では、一日のTVの視聴時間は1時間31分から1時間7分へと24分減少し、TV受像機で見ている時間は54分から25分へと半分以下になっている。スマホでのTVの視聴時間は8分から22分と約3倍になっている。もはや米国の10代は、TV番組はスマホで見るものなのだ。
On-line動画視聴時間は35分から59分へ
On-line動画の1日の平均視聴時間も4年前には35分だったものが、59分に伸び、ここでもスマホでの動画視聴が15分から39分に倍増している。
合計すれば、米国の10代はスマホを使って1日、TV番組を22分、On-line動画を39分見ている計算になる。
ちなみにスマホで音楽を聴くのも、4年前には1日平均41分だったのが、2019年には71分に伸びている、スマホの機能の向上に伴い、10代の日常の多くの場面でスマホが中心になっているのがわかる。
TV受像機保有世帯、8ポイント減
家にあるメディア・ディバイスについて尋ねたところ、4年前には質問項目になかったスマートスピーカーが30%になったのをはじめ、スマホは82%から91%に増えている。一方TV受像機は95%から87%へと減少し、TV受像機を持たない家庭が増えていることを物語っている
今回加えられた8歳から18歳までのストリーミング動画視聴の調査項目では、64%がNetflixと契約し、Amazon Prime Videoが44%、Huluが22%と続いている。
1日にゲームに費やす時間は8歳から12歳で4年前の平均1時間19分から1時間28分に伸び、13歳から18歳では1時間21分から1時間36分に伸びている。