UBSによる新型コロナによる広告収入の下振れリスク

 

 UBSのエクイティ・リサーチチームが、新型コロナ・ウィルス感染拡大による2020年の米国メディアの「リスク度」をまとめた。ウィルス感染の状況はまだ全世界で終息からはほど遠く、現状での推定で、今後も最新の数値による改訂が行われることが前提だ。

 このリサーチによると、Disneyのテーマパークは通年で前年比マイナス30%と大幅な収入減を見越していると同時に、ABCテレビを含めた広告でも全米で12%減、物品販売でも6%減と推定している。ネットワーク各社の通年の広告収入予想は軒並みマイナスとなっていて、FOXは33%減、CBSは33%減、NBCは7%減の予想だ。

 また、下の2図に見るように、全米でのテレビ広告費の四半期ごとの見通しに関しては、第2四半期(4-6月)のテレビ広告減少率を、東京五輪分を別にしても、前年比マイナス21.4%と、第1四半期(1-3月)のマイナス7.2%を大きく超えるとみており、「危機はこれから」だという認識だ。しかし、第3、第4四半期にはマイナス幅は小さくなり、2021年には「正常化」すると推定している。