米国TV広告収入、2020年前半は前年比約25%減の予測

 

 eMarketerの最新の予測によれば、米国の2020年1月から6月までのTV広告収入の見通しは、昨年比22.3%減から29.3%減となることがわかった。主要な原因は新型コロナウイルスによってスポーツ競技が中止となったことによるものだ。

 これは地上波、ケーブル、ローカルを合わせたもので、前半は239億ドル(約2兆6290億円)から263億ドル(約2兆8930億円)の減収となる見込みだ。

 同じeMarketerが約1か月半前の3月6日に出した予測では、2020年は通年で2%増の約720億ドル(約7兆7660億円)と見られていた。3月6日には米国内の新型コロナウイルス感染者数は252人で、東京五輪の延期が決まったのは3月24日だった。

 ちなみに昨年2019年のTV広告収入は通年で2.5%のダウンで、約706億ドル(約7兆7220億円)となっていた。

 現在米国ではNBA(プロバスケットボール)、NCAA(大学スポーツ)、NHL(プロアイスホッケー)、MLB(プロ野球)の試合がすべて延期または中止となっている。

 東京五輪ではNBCUniversalがすでに、延期決定前に12億5000万ドル(約1375億円)を売り上げていたが、これは基本的には来年への繰り越しとなる予定だが、経済環境が悪化しているなか、はたして延期まえと同様のアドバタイザーが付くかどうかは予断が許さない。

 また、大統領選挙の年の収入源である政治広告は期待できるものの、これは2020年後半に計上される見込みだ。