Netflix、1-3月で契約者1500万件増

 Netflixの1-3月の全世界での新たな契約者数は、予想の2倍の約1580万件となり、世界全体での契約者総数は1億8290万件となった。

 これは新型コロナウイルスによって、世界中で多くの人びとがShelter-at-homeを強いられていて、スポーツや観劇などを楽しめないなか、Streaming Videoが貴重な娯楽を提供してくれるメディアとなっているためだ。「人々はエンターテインメントを欲しがっている。逃げ出したいし、つながっていたいからだ」とヘイスティングスCEOは語っている。

 制作スタジオがほとんど閉鎖となっているため、Netflixでもさまざまな困難を抱えているが、まず、これまで撮影の終わったオリジナル作品の編集を急ぎ、第三者からのコンテンツの買い付けを超特急で進めていて、アニメについては200本を制作中だという。いずれもエディターやクリエーターが自宅からのテレワークで作業を進めているため、遅れる心配はなく、今後3か月間の新作のストックには問題がない、としている。また新シリーズの脚本もテレワークで着々と進んでいるようだ。コンテンツの責任者サランドス氏は「もちろん従業員やクルーの顔を見たいが、そのためには『もうこの仕事場は安全だ』と言えるようにしなければならない」と、テレワークの意義を強調している。

 1-3月期の新規契約者の伸びは、欧州・中東各国が約700万件、中南米が290万件、アジアが360万件となっていて、北米ではStreaming戦争の激化から伸びが鈍化していて、230万件にとどまっている。それでも、2019年10-12月期は54万件だったことに比べれば、大きく伸びているといえるだろう。

 この新規契約者の増加によって、株価は前年比34%アップで、1-3月期の売上は57億7000万ドル(約6340億円)と前年比27%アップ、利益も7億900万ドル(約779億円)にのぼっている。1株当たりの利益は1.57ドル(約172円)だ。視聴数も『タイガー・キング』は6400万件、『ラヴ・イズ・ブラインド』は3000万件を記録していて、新型コロナウイルスによる「巣ごもり」が続く間は好調が続きそうだ。