「ウイルスの影響甚大」――Fox Corp.役員報酬カットへ

 

 Fox Corp.のラクラン・マードックCEOは、役員と執行役員クラス、合わせて700名の報酬をカットすることを明らかにした。

 “Hollywood Reporter”によると、ラクラン・マードックCEOのほか、New Corp.の創業者で父親のルパート・マードック会長、ジョン・ネイレンCOO、法務担当のヴィエト・ディーンCLO、経理担当のスティーヴ・トムシクCFOは9月末まで無報酬となる。マードックの声明によれば、この措置は「できる限り、われわれのフルタイム社員の給与と福利厚生を、この危機の間保証するため」だとしている。マードックCEOの年間報酬は4210万ドル(約46億3000万円)で、父親の会長の年収もほぼ同額だ。

マードックCEOはさらに、役員については9月末まで50%の報酬カット、また局長クラス以上は5月1日から7月末まで15%の給与カット、そして役員報酬の引き上げは行わない、と発表した。

 報酬、給与カットとなる人数はあわせて700人近くになる見込みだ

 マードックCEOは声明の中で、全社のテレワークを5月15日まで延長し、「医療専門家の意見を聞きながら正常な仕事をどのように再開するか検討する」と述べている。

  Fox Corp.はFox News、Fox Sports、Fox Entertainment、そしてローカル局を束ねるメディア・コングロマリットだが、新型コロナウイルスによってテレビ広告の急激なダウンと、スポーツシリーズ再開の見通しがたたないことから、多くの番組はキャンセルされるか延期され、獲得した娯楽コンテンツも宙に浮いていて、ウイルスのインパクトは「甚大」だとしている。

 調査会社S&P global Ratingsは、Foxの場合、他のネットワークに比べて広告収入に頼る割合が約50%と大きいためだとしているが、「視聴率は好調で、その保守的な財務政策によって、他のメディアと比べても最上のポジションにいる」として、そのインパクトは一時的だとの見方を示している。

 しかし4月20日にUBSのアナリストは、Fox株の目標価格を40ドルから28ドルに引き下げ、「2020年の米国広告市場は急激な落ち込みが予想され、21年には暫時復調傾向となる」と予測した。それでも同じ日、Foxは広告付き動画配信サービスTubiを4億4000万ドル(約484億円)で買収しており、事業戦略に変更はないようだ。

 マードックCEOは声明の最後で、ウイルス下での救援活動を続ける自社のスタッフに声援を送り、「わたしたちの系列のフードサービスStudio Lotはロサンゼルスで、食事を必要とする人びとに毎日2000食を無料で提供している。また衣装部のスタッフはみんなが安全に働けるようにマスク作りに取り組んでくれている」とつづって、メディア企業が社会的な存在であることを強調している。