Moffett Nathansonリサーチの推計によると、ABCやESPNを抱えるDisneyのテレビ部門の2020年度通年の広告収入は、新型コロナウイルスの影響によって、前年比20%マイナスの58億ドル(約6380億円)となる見込みだ。2021年には10%の回復が見込まれ、64億ドル(約7040億円)まで戻すとみられている。
スポーツ専門チャンネルESPNやFreeformなどケーブルTVネットワークの減少が27%と大きく、プロバスケットのNBAやプロ野球のMLBの試合が中止や延期になったことが響いている。これに加えて、もし秋のプロフットボールのNFLやカレッジシーズンが中止になると、そのマイナスはさらに膨らむ可能性がある。2021年には26%増と、ほぼ今年のマイナス分を取り返すだろうとMoffet Nathansonでは見ている。
一方、4大ネットのひとつ、ABC Television Networkはケーブルほどの大きな落ち込みはないが、それでも2021年度は12%減となり、昨年の34億ドルから30億ドル(約3300億円)になるだろうと推定されている。しかし深刻なのはそのあとで、スポーツ専門ケーブルTVなどと違って、地上波テレビの減収傾向は続き、2021年にも大きな回復はなく、むしろ2%減の29億6000万ドル(約3250億円)と微減で、2022年も2%減の約29億1000万ドル(約3200億円)とみられていて、3年間でおよそ5億ドル(約550億円)の減収となる見込みだ。