NBCUも大幅なコストカットへ

 

 米国4大ネットのひとつNBCを傘下に収めるNBCUniversalのジェフ・シェルCEOは、12人の役員の20%の報酬カットと、年収10万ドル(約1100万円)以上の社員の報酬の「一部返納」を決めた。

 この措置は6月からだが、「一部返納」は3月からの昇給分をもとへ戻す措置を含むもので、シェルCEOは職員に宛てたメッセージの中で、「この変更がたいへんなことは理解している。できるだけ早くこの危機を乗り越えて、また成長を続けられるようになろう」と呼びかけた。

 4月30日に発表されたNBCUの第1四半期(1-3月)の決算は前年比7%減の77億ドル(約8470億円)となった。TV放送セグメントは9%増だったが、5月31日までの閉鎖が決まっているテーマパークと、ユニバーサル映画の落ち込みが響いた形だ。

 また、鳴り物入りでスタートしたOTTプラットフォームのPeacock(全米サービスは7月から)も、制作プロダクションの作業がストップする中でオリジナル作品のリリースには困難が生じている。

 NBCUでは、第2四半期にはさらなる減収が予想されることから、シェルCEOは従業員のレイオフを含む大幅なコストカットを実行することを表明している。

 シェルCEOはこの発表に先立って、先週NBCネットワークと経済専門ケーブルチャンネルCNBCのオフィスを訪問し、オンエアーに携わる「エッセンシャル・ワーカー」を慰労して回った。

 レイオフの詳細は来週中にも発表されると見られるが、職員に送ったメッセージの中で、シェルCEOは「ビジネスと構造の改革は、長期的に見てわれわれをさらに強くすることになり、論理的で公正になるよう、熟考したい」と述べている。