ViacomCBS、四半期減収もStreaming積極展開で株価上昇

 

 ViacomCBSは、四大ネットワークの一角CBSとMTVなどのケーブルチャンネル、そしてパラマウント映画を含む総合コンテンツ企業だが、2020年の第1四半期(1月‐3月)の収入が前年比マイナス6%の66億7000万ドルとなったことがわかった。広告収入は19%のマイナスで、これはCBSが2019年にはスーパーボウルの中継権をもっていたので、その反動減も大きいし、新型コロナウイルスで今年の大学バスケットが中止となった影響もある。

 ところが、減収にもかかわらず、7日の取引では株価が13%アップした。

株価は1年前と比べると60%あまりの大幅な下落水準にあり、合併後のViacomCBSが苦戦を続けていることに変わりはないが、EPS(1株当たりの利益)は投資家の予想0.99ドルを上回って、補正ベースで1.13ドルとなったことが大きい。

 

 ViacomCBSは先月、500人をレイオフし、昨年合併した時に宣言していたコストカットに踏み出したが、これに加えて、Streamingサービスの大幅な拡大に乗り出したことが評価されているようだ。

 まず自社のStreamingプラットフォームCBS All Accessにパラマウント映画の100作品を公開することに決めた。これまでも同系列のNickelodeonチャンネルから子供向けの作品をCBS All Accessに公開してきていたが、老舗パラマウントの作品投入は有料契約者の増加に結びつくと見られている。

 さらにViacomCBSはViacomのケーブルチャンネルをYouTubeTVのオンラインセットに乗せることに合意した。すでに3月にはローカルテレビ局をまとめるメディア企業Nexter Media GroupやMeredith Corp.と、そして4月にはVerizonとストリーミング契約を結んでいて、『スポンジ・ボブ』のような人気作品も自社のCBS All Accessにこだわらず、広くコンテンツ展開していく方針だ。

 とは言っても、去年の第1四半期にはアセットの売却益を含めて19億6000ドルだった四半期利益が、ことしは5億1600万ドルにまで落ちこんでおり、新型コロナウイルス終息後、どのようなStreaming戦略をさらに打ち出すのかに関心が集まっている。