Kidsを狙え!

 

 Stay-at-homeが始まってから、Streamingは視聴数を伸ばしているが、Bernstein Researchによると、6-11歳、12-17歳の子供たちの昼間の視聴数は300%伸びたという。それぞれのStreamingプラットフォームは、ことに新型コロナウイルスで自宅待機が始まってからは、教育コンテンツや家族で楽しめるコンテンツを急遽アップして子供の視聴数を獲得しようとしている。子供は親の財布に大きな影響力を持っていし、しかも楽しい娯楽に飢えているから、当然の動きだ。

 

 5月27日からスタートするWarnerMediaのStreamingサービスHBO Maxも、もともとはドラマのラインナップが期待されていたが、マーケットリサーチをもとに、セサミ・ストリートのキャラクターたちを登場させるなど、キッズ番組に注力することを決めた。また夜のトークショーなどにもおなじみのキャラクターを絡ませて、family friendly なサービスを目ざす。HBO Maxのアニメ担当副社長ビル・ウィーは、「HBOに興味を持ってはいるが、家族や子供向けの作品が少ないのでためらっていた家族がたくさんあることはリサーチからわかっていたので、キッズ向けの作品を提供することにした」と語っている。しかも学校もリモート教育に移行しているため、教育コンテンツにも集中的に投資したという。

 

  小さな子供向けには「お勉強」の要素が盛りだくさんなコンテンツ、やや大きい子供にはアドヴェンチャーやコメディの要素の多いコンテンツを送り出すことで、子供自身がStreamingになじむとともに、プラットフォームが提供する本格的な作品に興味をもってもらうためのステップにして行こうという目論見だ。

 こうしたなかで、従来のネットワークTVでは、2-11歳の子供の4月の視聴率が前年比8%ダウンしたというNielsenの調査が出た。これは2018年から2019年にかけての同年齢20%ダウンという数字に比べれば小さいが、Stay-at-homeが続いている時期だけに衝撃的な数字だ。Bernstein Researchのアナリストは「家にロックされていて、一日何もやることがないのに、子供の視聴率が下がるのは、子供がTVから離れていっている傾向をはっきりとあらわしている。子供の視聴がStreamingやデジタル・デバイスに移行していっているのだ」と分析している。