2020年の米TV収入は13.2%減収予想

(Image credit: Magna)
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 Magna Globalの予想によると、2020年の米国TVの広告収入は前年比で13.2%減となり、2021年には4.3%回復すると見られている。

 選挙の年である今年後半、ローカルTVは選挙広告、政治広告でにぎわうとみられるのだが。それでもローカルTVの広告収入は前年比2.4%減となり、選挙のない来年は14.5%と大幅な落ち込みを予想している。

 デジタル広告収入は新型コロナウイルスにもかかわらず成長基調で、昨年度の前年比16.8%増からは数字を落とすものの、今年は2.8%増、2021年は7.3%増が見込まれている。なかでもオンライン動画は今年10.8%増、2021年は7.8%増と順調な伸びが期待されている。

 Magnaによれば、リニア・メディアとことなり、デジタル広告市場は回復も早く、今年夏には安定し、今年後半には回復に向かうという。

 国の広告費全体を見ると2020年は4.3%減だが、2021年は4%増と予想されている。「多くの産業が向かい風を受け、広告支出をかなり削減せざるを得なかったが、ことに旅行、娯楽、自動車、外食は影響が大きい。この業界の広告費は通年で25%減となるだろう」とMagnaは見ている。一方、薬品、食品、飲料はマイナス幅が一桁台にとどまる模様だ。テクノロジー産業とEコマース関連は広告費が前年比増となる見込みだ。

 Magnaでは今年第3四半期には広告市場は安定し始め(前年比5%減)、第4四半期には前年比±ゼロに戻ると見ている。ヴィンセント・ルタン副社長は「新型ウイルスはグローバルに、社会やビジネスモデル、消費行動、メディア利用に長期の影響を与えており、経済成長と広告費は弱含みだ」と述べている。

 

  Magnaでは2021年の世界全体の広告費を前回予想の7450億ドル(約81兆9000億円)から6470億ドル(約71兆1000億円)へと14%引き下げていて、米国市場では回復の見通しがあるものの、グローバルな視点では、まだ感染の拡大とともに不安材料が残ると見ている。