WarnerMedia、アトランタのCNNセンター売却へ

 

 CNNの親会社WarnerMediaがジョージア州アトランタにあるCNNの拠点、CNNセンターを売却する計画を明らかにした。WarnerMediaのデスロチェスCFOによれば、今後は同じくアトランタにあるTechwoodをWarnerMediaの拠点として一本化する予定だ。もともとCNNが1980年に創設されたときはTechwood Driveのカントリークラブだった場所からスタートしていて、その意味では「スタート地点に帰るのだ」と言う。

  しかし、アトランタのダウンタウン開発の象徴的な存在であるCNNセンターは、1987年からは、24時間ニュース専門局CNNの拠点として親しまれ、見学もできるアトランタのランドマークともいえる存在で、今回の決定は職員にも町の住民にも複雑な思いを呼んでいるようだ。

 すでに1996年にCNNがWarnerMediaの前身Time Warnerに売却された時点で、本社機能やメインのスタジオ制作機能はニューヨークに移り、現在ではニュース番組のほとんどがニューヨークとワシントンD.C.、ロサンセルスのスタジオから出されていて、CNNセンターにはCNN.comと管理部門が残っている。今年5月には、黒人男性ジョージ・フロイドさんの死に抗議するデモ隊によって、CNNセンターのエントランスが壊されたことから、現在、見学は中止となっている。

 Time Warnerは、2014年にはニューヨークのコロンバス・サークルにある本社を売却し、CNNも2019年にハドソン・ヤードの最新のビルに移ったが、AT&Tとの合併前の2016年頃からアトランタのCNNセンターの売却の話が浮かび上がっていたようだ。

 今後は数年かけてアトランタのTechwoodに、CNNも含めたWarner系のTV局を集約する予定だという。