06年米ブロードバンド普及率が加速


動画視聴に欠かせないブロードバンド(高速大容量通信)の普及率が米国で加速している。米有力調査会社ライクマン・リサーチ・グループがこのほど発表したデータによると、電話会社とケーブルテレビ(CATV)事業者が提供するブロードバンドへの2006年度における新規加入者数は1,020万件を超え、2005年の50万件を2倍以上も上回る新記録となった。

ライクマン氏によると、米国のブロードバンド加入者総数は2006年末の時点で約5,335万件。このうち、ケーブルモデム利用者は全体の55%となる約2,931万件。DSL加入者は2,404万件で両者がほぼ拮抗しているが、2003年のケーブルモデム利用者が全体の63%だったことを考えれば、DSLが激しく追い上げていることが分かる。新規加入者に占めるDSLの割合を見ても54%と、ケーブルモデムを上回っており、電話会社の積極的な加入料値下げ戦略が功を奏した形だ。同社の代表ブルース・ライクマン氏は、「ブロードバンド・プロバイダーの今年の課題は、さらなる新規契約者獲得ではなく、サービスからいかに利益を得るかという点だろう」と述べている。

ちなみに、FCC(米連邦通信委員会)によると、06年半ばの時点でブロードバンド普及率が高い州は、ニュージャージー、コネチカット、ハワイ、マサチューセッツ、カリフォルニアの順だった。米ブロードバンドは電話会社が提供するDSL(デジタル加入者線)とCATV社によるケーブルモデムが市場の94%を占めている。