07年はデジタル転換期の年


米広告業界誌「アドバタイジング・エイジ」はこのほど2007年を振り返り、10大ニュースとして、同年がデジタル転換期だったこと、マードック氏のダウ・ジョーンズ買収、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)大手フェイスブック・ブーム、中国製品の玩具やペットフード汚染問題、米脚本家組合のスト、さらにはアイフォン発売などを挙げている。

デジタル転換期については、米メディア界がこぞってインターネットに代表される「デジタル」に本格的に取り組んだ年として、さらには、実際に広告予算のインターネットへのシフトなどが顕著に現れた年として記憶されるだろうとしている。

また、メディア王の異名をとるルパート・マードック氏によるダウ・ジョーンズ買収については、傘下の経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」の有料電子版の無料化や取材対象の拡大方針などを評価し、ニューヨークタイムズ紙にとってより強力なライバルとしての地位を得ることになるだろうと予測している。

さらに脚本家組合のストについては、もしストが1月以降も解消されなければ、毎年5月に開催される「アップフロント」(米テレビ新シーズンの編成発表とCMの予約販売)の存在そのものが危うくなる可能性を指摘し、ネットワーク側にテレビシーズンの概念そのものを再考させるような転機をもたらすかもしれないと予測している。

ところで、同誌によると昨年の広告主トップの座についたのは、洗剤や化粧品などの家庭用雑貨品を含む米国の一般消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)。同社の米国内広告費出資額は49億㌦(約5,390億円)だった。また、米ネットワークのプライムタイム番組の稼ぎ頭だったのが、医療ドラマ「グレイズ・アナトミー(恋の解剖学:邦題)」(ABCネットワーク)。同番組の30秒CM平均料金は419,000㌦(約4,600万円)だった。