08年大統領戦、CM総額は10億㌦!


次期米大統領選挙は2008年11月。まだ2年近くもあるというのに米メディアでは連日のようにその行方が取り沙汰されている。ヒラリー・クリントン上院議員とバラク・オバマ上院議員の出馬表明で史上初の女性あるいは黒人大統領誕生の可能性が出てきたためだ。

共和党も民主党も候補が乱立するのは必至の情勢で、選挙CMに費やされるお金も、米有力調査会社TNSメディア・インテリジェンス(TNSMI)によると、向こう2年間で10億㌦(約1,200億円)を超過すると言われ、テレビ局にとっても史上空前の規模になりそうだ。

来年1月、全国に先駆けて党員集会(予備選の一つ)が行われるアイオワ州のテレビ局にはCM放送を打診する候補者が早くも殺到している模様だ。同州の州都デモイン市のローカル局WHO-TVのジム・ボイヤー社長は、業界誌アドバタイジング・エイジとのインタビューで、「数多くの候補者が夜11時のニュース番組周辺にCM放送を希望してくるはず。このままでは収集しきれない状況が生まれることも覚悟しなければならない」と、嬉しい悲鳴を上げている。

そこで各局が注目しているのがホームページ活用案。アイオワと同じく注目度が高い予備選が戦わされるニューハンプシャーの地元テレビ局WMUR-TVではニュース番組の拡大版をホームページ上で展開する予定。放送上で収容仕切れなかった選挙CMをウェブ上で吸収できればとしている。

TNSMIのエバン・トレイシーは、ローカル局であぶれた選挙CMは、ケーブル局や新聞などにも流れ、ローカル局以外の媒体にも恩恵を与えると予測している。ちなみに、前回2004年の大統領選挙で投入された選挙CMは総額6億5,900万㌦(約790億円)(TNSMI調べ)だった。