08年米広告費、前年比2.6%減


米調査会社ニールセンはこのほど、2008年の米国の総広告費の推定値を発表した。それによると、総広告費は1368億㌦(約13兆6800億円)で前年比2.6%の減少となった。媒体別に見ると、ケーブル局広告費が前年比7.8%増となる266億㌦(2兆6600億円)と、前年比増を記録した唯一の媒体となった。その他の媒体は軒並み減少し、ネットワークテレビ広告費が220億㌦(約2兆2000億円)と前年比3.5%減。ローカルテレビ(トップ100社)は2420億㌦(約2兆4200億円)と前年比0.3%減少した。危機的な局面に立たされていると言われる新聞は、ローカル紙広告費が119億㌦(1兆1900億円)と前年比10.2%減と二ケタ台の減少を示し、最大の打撃を受けている。また、これまで二桁台の成長を示してきたインターネット広告費も前年比6.4%の減少、86億㌦(約8600億円)となった。


業種別広告費を見ると、最大の広告主である自動車業界が、100億1610万㌦(約1兆円)と前年比15.5%減。金額にして18億㌦(約1800億円)の落ち込みを見せているのが特筆される。その他、薬品業界が43億4410万㌦(約4344億円)で前年比18.4%減。これに、自動車販売店による広告費が41億9830万㌦(約4198億円)、前年比マイナス8.8%などとほとんどの業種が前年を下回った。トップ5入りした中では唯一、ファーストフード・レストラン業界が40億8050万㌦(約4081億円)と、前年比3.8%の増加を示した。


なお、企業別では、例年通り一般消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)がトップ。広告費は28億4820万㌦(約2842億円)で前年比19.3%減となった。2位はゼネラル・モーターズ(GM)の21億1770万㌦(同14.9%減)、3位には米通信大手AT&Tの16億6270万㌦などと続いている。日本企業では、トヨタ・モーター社が前年6.6%減となる15億5500万㌦で第5位、ホンダ・モーターが同2.8%減、10億1660万㌦で9位にランクされている。  

ちなみに、電通が3月上旬に発表した08年の日本の広告費は約6兆7000億円、前年比95.3%となっている。