2010年1-3Q米広告費が6.4%増


 米国の2010年1~9月における広告支出額は前年同期比6.4%増となる940億6000万㌦に達しことが明になった。米有力調査会社「キャンター・メディア」がこのほど発表したもので、同年7~9月期の広告支出額は前年同期比8.7%増と、四半期ベースとしては2004年以来最高の成長率となった。広告支出増額傾向は広告主トップ1000社にとどまらず、中小規模の広告主の間でも顕著になっており、同社のリサーチ部門を担当する上級副社長ジョン・スウォレン氏は、発表分の中で、「広告市場の回復は大きな金字塔を打ち立てた」と表現している。


媒体別に見ると、米広告市場の回復をリードしているのはテレビ。同年1-9月の支出額は前年同期比10.5%増を記録し、注目されるインターネットの7.7%(ディスプレイ広告のみ)、ラジオの6.2%などを抑えて唯一二桁台の成長となった。同年実施された中間選挙広告と経営危機を脱し復活にかける自動車業界の広告大量出稿が大きくものを言った模様だ。一方、活字媒体は相変わらず不振で、雑誌が2.6%増を示したものの、新聞は2.9%減少となった。


広告主別で見ると、支出額が一番多かったのが一般消費財メーカー大手プロクター&ギャンブル(P&G)。同期18.7%増(前年同期比)22億5270万㌦と世界最大の広告主の地位を守った。そのほか、通信大手AT&Tが同15.7%増15億1070万㌦で2位にランクされたほか、ゼネラル・モーターズ(GM)が20.6%増14億8050万㌦と最大上げ幅を示し3位にランクされている。


また、業種別では1位に自動車が同23.7%増となる91億5150万㌦と断トツの支出増を記録したほか、通信業界が4.7%増63億6940万㌦で2位、コミュニティー向けの病院や弁護士事務所などを含むローカル・サービスが6.4%増59億3280万㌦で3位にランクされている。このほか、金融業(9.4%増)、食料・菓子類(9.9%増)、パーソナルケア製品(9.8増)などがトップ10入りしている。