3Dテレビ販売台数が5年後に18倍


 家電業界が薄型テレビに次ぐ、次世代の主力商品として期待する3次元立体 (3D)映像対応テレビの販売台数が2015年までに7800万台に達する見込みだ。米調査会社「iSuppli(アイサプライ)」が発表したもので、世 界の3Dテレビ市場は、2010年の420万台から2015年には7800万台と大幅増、売上高も10年の74億㌦(約6660億円)から15年には 643億㌦(5兆7870億円)規模に急拡大するという。


同社によると3Dテレビの販売台数の推移は、2011年に約1300万台、13年に4300万台、そして14年には6000万台に達する見込み。売上高 も、11年に約200億㌦(1兆8000億円)、13年に470億㌦(約4兆2300億円)、14年には564億㌦(約5兆760億円)と増え続けるとい う。


一方、平均価格のほうは下降線をたどりそうだ。10年の1768㌦(約15万9000円)から、14年には933㌦(8万4000円)と1000㌦を下回り、15年には現在の半値以下となる825㌦(7万4250円)に低下する見通しだ。


しかし、経済誌「バロン」の技術担当記者エリック・サンビス氏は記事の中で、「3Dテレビを視聴するためには、特殊で比較的高価なメガネが必要。アイサプライの予想どおり急カーブを描いて普及するかどうか疑問だ」と述べている。


米国では3D映像技術を駆使したSF大作映画」アバター」が空前のヒット作になったこともあり、3D映像がにわかに脚光を浴びている。人気のスポーツ専門 局「ESPN」やドキュメンタリー番組の放送で知られる「ディスカバリー」などが今年中に3D放送を開始する計画を練っているほか、衛星放送最大手ディレ クTVなども3D放送を始める予定だ。