3大ネット、がん特番を同時放送


米社会に大きな影響力を持つ3大テレビネットワーク(ABC、CBS、NBC)が来る9月5日、がんの治療や研究を呼びかける特別番組「Stand Up to Cancer(がんに立ち向かおう)」を同時放送することを決めた。同番組は、普段は熾烈な視聴者争奪合戦が繰り広げられるプライムタイム枠で、1時間に渡り生放送される。過去に米南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」や2001年の同時テロを受けて3大ネットワークが協力して慈善番組を制作したことはあるが、社会教育を目的とした番組で3大ネットワークが歩調を合わせることは前例がない(ABC広報担当ジェフ・シュナイダー氏)という。

同番組には各社の看板ニュース番組のキャスター、チャールズ・ギブソン氏(ABC)(写真・左)、ケイティー・クォーリック氏(CBS)(写真・中央)、ブライアン・ウィリアムズ氏(NBC)(写真・右)が勢ぞろいして出演する。番組内容の詳細は決まっていないが、3大キャスターがそれぞれ違ったテーマでミニ・ドキュメンタリーを制作する案も浮上しているという。ギブソン氏は、「番組は有益な情報を提供することにあるだろう。テーマは深刻なものだが、エンターテイメント性も失わないようにしたい」と抱負を語っている。番組にはハリウッド俳優も出演する予定。

クォーリック氏は同番組のPRのためにライバル局の情報番組に出演、「(がん撲滅のために)世論を喚起する手段として絶好のチャンス。全国津々浦々にメッセージを届けたい」と豊富を語った。クォーリック氏は夫と妹をがんで亡くした経験がある。またギブソン・ウィリアムズ両氏も親族をがんで亡くしているという。ウィリアムズ氏は、「がんは米国のすべての家族の問題だ」と述べている。米国では毎日がんで1500人が亡くなっているという。