5人に1人がCM飛ばし視聴


米プライムタイム番組視聴者のおよそ5人に1人がCM飛ばし視聴をしている。そんな実態がこのほどニールセン・メディア・リサーチ社が発表した調査結果から浮き彫りになった。調査の対象になったのはネットワークの新シーズン期首となった9月24日から1週間の間に放送されたプライムタイム(米東部時間午後8~11時)番組。番組を放送時に見た人と放送後3日以内にHDD内蔵型のデジタル録画機(DVR:デジタル・ビデオ・レコーダー)で追っかけ視聴した人のCM視聴率(C3)が合わせて測定された。(この視聴率測定は「ライブ+C3」と呼ばれ、今シーズンから業界の標準になっている)

人気番組の中で、最もCM飛ばし視聴率が高かったのがCBSネットワークのリアリティー番組「サバイバー:中国編」。同番組を放送時に見た18~49歳層視聴者は516万人。放送後3日以内にDVRで視聴した同層の視聴者は135万人も含め、全体で651万人が視聴したことが分かった。そして、DVR視聴者を中心に同番組のCMを飛ばし視聴をした人が全体の19.3%に上り、広告主にとってワースト番組とも言える結果となった。同番組の他、視聴率トップクラスの番組も10~20%の視聴者がCMをスキップしていることが分かった。スキップ率を見ると、CBSの人気犯罪捜査番組「CSI:科学捜査班(邦題)」が15%、ABCネットワークのグレイズ・アナトミー(恋の解剖学:邦題)」は17%、同ネットワークの「デスパレイトな妻たち(邦題)」では16%となっている。

CM飛ばし視聴はDVR視聴者によるものが圧倒的に多いが、ニールセンの調査によると、番組を放送時に見た視聴者の平均約6%の人がCM中にザッピングしたり、テレビの前から離れるなどした模様。この数字については、NBCネットワークのリサーチ部門担当社長、アラン・ワーツェル氏は、「当社の調査でも5~7%という結果が出ており予想範囲内」としている。

新シーズン期首のCM視聴率が公表されたのは初めて。広告主側からは「DVR視聴者はCM飛ばし視聴の常習者が多いことが再確認された」という声が挙がっているが、業界内には「数字は想定内のものだった」という見方が支配的だ。