60ミニッツ・オーバータイムがデビュー


 今年で43度目のシーズンを迎える米CBSネットワークの看板報道番組「60ミニッツ」のインターネット配信版「60ミニッツ・オーバータイム(60MinutesOvertime.com)」(以下、オーバータイム)が創設された。「60ミニッツ」の新シーズン第1弾と同時に9月26日にデビュー。初回は、今年のスーパーボウルでMVP(最優秀選手)に選ばれたセインツのクォーターバック、ドルー・ブリーズ選手の正確なパスの紹介、アフガン戦争取材中にCBS記者が遭遇した不意打ち攻撃の様子など3本のストーリーが紹介された。それぞれのストーリーは3~6分ほど。製薬会社大手ファイザー1社提供で、毎週3本配信される。


60ミニッツのエクゼクティブ・プロデューサー、ジェフ・フェイガー氏は同サイト創設発表の際に、「放送されないストーリーがたくさんある。放送されたものでも、視聴者に紹介できない素材がたくさんある。オーバータイムがこれらの素材を提供できる新しいプラットフォームになる」などと、抱負を語っている。取材にあたったレポーターが語る裏話なども紹介されるが、近い将来、担当レポーターが視聴者とネット上で会話できる場の創設も計画されている。さらに、オーバータイムではソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を駆使し、番組が取り上げた話題などについて視聴者が討論や情報交換ができる場(フォーラム)も提供したい考えだ。


専門家の間では、「オンライン・ビデオといえば、これまで既存の番組のネット配信が中心だったが、今回はネット向けのオリジナル番組を制作・配信するという重要な動きだ」(ロバート・トンプソン、シラキュース大学教授)などとCBSの動きに大きな関心を寄せる向きが少なくない。
CBSではこのほか、アップル社の携帯端末タブレット、アイパッド用の60ミニッツのアプリケーションや、ユーチューブに専用チャンネルを創設することも計画中で、番組のマルチ配信に拍車をかけたい考えだ。