65%のCM枠が売れたスーパーボウル

米スポーツ界はもとよりテレビ界の最大イベントでもあるスーパーボウル(米ナショナル・フットボール・リーグNFLの王座決定戦)は、来年2月7日、フロリダ州マイアミで開催される。次回の独占放送権はCBSネットワークが保有しているが、開催まで半年弱となる現時点で、CMの売上が全体の65%に達したことが明らかになった。


今年のスーパーボウルはNBCが独占放送したが、昨年同時点でのCM売上は85%。CBSのものはこれを大きく下回っている。しかし、「未曾有の不況下にあることを考慮すれば、見事な売上ぶりといわざるを得ない」(メディアウィーク誌)などと、業界内ではむしろ高く評価する向きが多い。


関係者によると全62枠のうち、40枠が売れた模様で、30秒当たり平均270~280万㌦(2億5450万円~2億6600万円)で取引されているという。昨年はスポットによっては300万㌦で売れた枠もあったようだが、平均280~290万㌦で取引されたとされており、景気後退にもかかわらず、値崩れ減少は起きていないことが見て取れる。CBSの営業担当ジョアン・ロス社長は、具体的な取引額については言及をさけたものの、メディアウィーク誌に、「現時点では非常にいい状態でセールスが推移している。8月に入って取引が盛んになっている」と自信のほどを披露している。


すでにスーパーボウルにコミットした広告主を見ると、常連のビールメーカー大手、アンハウザー・ブッシュをはじめ、ファーストフード、保険や小売業界などが名を連ねている。
一方、NFLレギュラー・シーズンのCM販売も好調に推移している模様。同リーグの放送権を保有しているNBC、Fox、CBSの各ネットワーク及びスポーツ専門局ESPNにおけるCM販売額は昨年シーズン比1~3%減程度にとどまっており、「NFLの広告市場は驚くほど健全」(広告大手インターパブリックのネットワーク担当上級副社長ケビン・ドリンズ氏)な状況だ。