Aアイドルのクリエーターがネット専用番組

新年早々、インターネット動画配信に型破りな企画が登場することになった。ハリウッドのスターを目指す5人の俳優やミュージシャンのたまごたちの葛藤ぶりを、カメラが克明に追うリアリティー番組で、「If I Can Dream」と名づけられ、10年2月のスタートを目指している。5人の生活ぶりなどは毎日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)人気サイト、フェイスブックやMyspaceなどで配信される。オンライン視聴者から出演者への批判や助言なども受け付けられインタラクティブな番組になるのが特徴の一つだという。


Myspaceが協賛スポンサーとなるほか、ラジオ放送局保有会社「クリア・チャンネル・コミュニケーションズ」、ペプシ、米自動車大手フォード・モーターなどがすでにスポンサーの名乗りを上げている模様。


また、1週間分の模様が、30分間に編集され、人気動画サイト「Hulu(フールー)」で定期的に放送(動画配信)されることになる。フールーは各ネットワークを傘下に置く、NBCユニバーサル(NBCネットワーク)やニューズ・コーポレーション(Foxネットワーク)、さらにはウォルト・ディズニー(ABCネットワーク)などの共同出資で運営されているサイトだが、オリジナル番組が配信されるのは初めて。


これまでにもネットに限定された番組制作が何度か試みられているが、いずれも話題作には至っていないのが現状。しかし、今度の企画は、米テレビ界を代表するヒット番組になったFoxネットワークのオーディション番組「アメリカン・アイドル」のクリエーター、サイモン・フラー氏によるもので、米メディア業界がその成り行きを注目している。


フラー氏は、発表文の中で、「この番組はエンタテイメントの主流との境界線を打破するもの。これからのフロンティアは、リアルタイムで双方向性を伴ったビデオ(番組)配信だ」と力説している。番組のプロデューサー、アシュトン・カッチャー氏はニューヨークタイムズ紙とのインタビューに、「放送されているどの番組をも上回る視聴者数を獲得する、初のオンライン番組になってほしい」と抱負を語っている。