BBはテレビ視聴時間を侵食?

「日増しに人気が増しているブロードバンド上の動画配信が、生活者のテレビ視聴や接触方法にどのようなインパクトを与え始めているのかを知ることは、我々にとって極めて重要な課題だ」。このように語るのはCTAM(Cable & Telecommunications Association for Marketing)のシェア・ビールズ社長。ケーブルテレビ業界のロビー活動などにあたるCTAMがこのほど、ニールセンに委託し米国のブロードバンド利用状況の調査が行われた。

その結果、動画を日常的に視聴すると答えた人の33%がテレビの視聴時間が増えたと答えており、動画視聴がテレビ視聴を侵食する事態とは程遠いことが分かった。ニールセンでは、「人気急上昇中の動画視聴は、生活者が見出した新しい番組視聴方法。ただ、彼らの意識の中で、動画視聴がテレビ視聴に取って代わるものとする捉え方は今のところ見当たらない」と分析している。

ちなみに、動画視聴を始めたために、テレビ視聴時間が減ったと答えた人は13%に留まった。 今回の調査では、自宅やオフィスで動画視聴をすると答えた人が今年3月の時点で8,100万人に達していることが明らかになった。昨年9月の時点では7,000万人。半年で16%の増加を示している。ちなみに、動画利用者数はブロードバンド接続にアクセスがある1億2,900万人の62%に相当する。

また、同調査では人気動画サイトが一部のサイトに絞られていることも判明した。ネットワークが提供するサイトの中ではABCネットワークのホームページ「ABC.com」が圧倒的な人気を博しているほか、映画関連サイトでは「Yahoo!Moviews」にアクセス数が集中しているという。